よりどりインドネシア

2024年04月27日

「文学」に関連する記事

天国の暗部と真夜中の1分前(太田りべか)

ふと目に留まった作家・AV監督の二村ヒトシ氏のコラムがおもしろかった。1985年にスティーブン・スピルバーグが手がけた『カラーパープル』をリメイクしたミュージカル映画についての話…

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ジギー節考(太田りべか)

ジャワは雨季たけなわ。雨季入りがやや遅めだったのに加えて、11月も後半になってやっとまともに雨が降り始めたと思うと、12月半ばには2週間ほどまったく雨の降らない日が続き、私が住ん…

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ジャワの龍の話(太田りべか)

新年おめでとうございます。2024年は甲辰の年。ということで、ジャワの龍の話をいくつか覗いてみたい。龍はインドネシア語では「ナガ(naga)」で、この語の起源はコブラを指すサンス…

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虎を放つ(太田りべか)

少し前のこと、日本の大学院で博士後期課程を終えられた若い研究者の方がスマランまで訪ねてきてくださった。博士論文で、作家エカ・クルニアワン(EkaKurniawan)の小説『美は傷…

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クレテック発明者とクレテック王(太田りべか)

前回、クレテック(kretek:丁子入り煙草)をめぐるラティー・クマラ(Ratih Kumala)作の小説 "GadisKretek"(『クレテック娘』)を紹介した。今回はクレテ…

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クレテック娘(太田りべか)

クレテック(kretek)は、インドネシアの丁子入り煙草だ。クレテック発祥の地と言われる中ジャワ州のクドゥスや、スマラン、ジュパラなどその近隣の町で現在もよく見かける銘柄は、クド…

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千の業火の夜(太田りべか)

インタン・パラマディタ(Intan Paramaditha)の新作長編小説が発売された。タイトルは"Malam SeribuJahanam"。日本語にすると『千の地獄の夜』でも『…

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トゴグが語るのは(太田りべか)

前からトゴグ(Togog)という人物(?)のことが、ちょっと気になっていた。トゴグは、ジャワ中部などのワヤンに登場するプノカワン(punakawan /panakawan)のひと…

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ラトゥ・キドゥル vs 乙姫(太田りべか)

南海の女王ラトゥ・キドゥルにまつわる伝説は、ジャワではもっとも広く知られる言い伝えのひとつと言っていいだろう。ジョグジャカルタの南のパラントゥリティス海岸では、緑の服を着て浜辺に…

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ラデン・ウィジャヤとジャワ元寇伝(太田りべか)

インドネシア共和国の成立とそれに先立つ日本軍政期より前のヌサンタラを舞台にして日本の作家が書いた小説は、どれくらいあるのだろうか。山本兼一の『銀の島』や『ジパング島発見記』にマラ…

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日本の近代文学を訳す(その2)(太田りべか)

前回に続いて、Mai出版(Penerbit Mai)が実施している若手翻訳者プロジェクトから生まれた日本の近代文学の翻訳書を紹介していきたい。●『柿の木のある家』前回紹介した宮澤…

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市民ジャーナリズムを鼓舞した親友リリを悼む ~『スラウェシ市民通信』再掲を前に~(松井和久)【全文無料公開】

3月10日、私の親友であるメルボルン在住のリリ・ユリアンティ(Lily YuliantiFarid)が52歳の若さで亡くなった。彼女は南スラウェシ州出身のジャーナリストであり、小…

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日本の近代文学を訳す(その1)(太田りべか)

今回はちょっと翻訳の話を。以前、『よりどりインドネシア』第78号(2020年9月22日発行)で、出版社PenerbitMaiが実施している若手翻訳者プロジェクトについて触れた。当…

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詩から生まれて詩に還る物語(太田りべか)

ジョコ・ピヌルボ(JokoPinurbo)、通称ジョッピン(Jokpin)は、現代のインドネシアの代表的詩人のひとりだ。1999年の処女詩集『ズボン』(Celana)から2022…

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海は語る(太田りべか)

2022年11月9日にジャカルタ・コンベンション・センターでの国際ブックフェア開会式で、レイラ・S・チュドリ(Leila S. Chudori)の長編小説LautBercerit…

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ウィジ・トゥクルの娘(太田りべか)

9月7日は「インドネシア人権擁護活動家の日」とされている。人権擁護活動家で、「行方不明者と暴行被害者のための委員会」(KontraS)の設立者のひとりであるムニール・サイード・タ…

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クィア文学(太田りべか)

去る3月に、2022年のブッカー国際賞ノミネート作品のロングリストが発表された。ブッカー国際賞は英国のブッカー賞の翻訳部門にあたる文学賞で、英語に翻訳された文学作品が対象となる。…

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Cantik Itu Luka の20年(太田りべか)

今やインドネシアを代表する作家のひとりとなったエカ・クルニアワンの処女長編小説にして代表作である Cantik Itu Lukaが、初版出版から20年を迎えた。2002年に初版を…

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猫の話(太田りべか)

●ポンスの話 俺は猫だ。名前はポンス。なぜそんな名がついたのかは、あとでわかるだろう。もっとも、猫にとって本来名前などどうでもいいものだ。犬と違って、飼い主がつけた名で呼ばれたか…

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闘う女性作家たち(6):ふたりのララ(太田りべか)

先ごろNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が終了した。祖母・母・娘の三世代100年にわたる家族の物語だ。毎朝楽しんで観ながら、自分の親のことでも意外と知らないことが多い…

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