よりどりインドネシア

2021年11月22日号 vol.106

ロンボクだより(57):消えゆく仕事たち(岡本みどり)

2021年11月22日 23:41 by Matsui-Glocal

みなさん、こんにちは。ロンボク島では、マンダリカ・サーキットにジョコウィ大統領がやってきて試走しただの、ついにスーパーバイク世界選手権(WSBK)が開幕しただので、一部でにわかに盛り上がっています。しかし、我が家の暮らしはいつもどおり。今回ものんびりとお届けします。

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先日、近所に住むFさんが突然亡くなりました。朝、お手洗いで転倒し、打ちどころが悪かったそうです。近隣のメンバーで、すぐにお葬式の手伝いに行きました。男性たちは式場設営、女性は軽食とFさんの体を洗う準備をしました。

私は料理班ではなく、体を洗うほうを手伝いました。1年前に義母が亡くなったとき近くで見ていたおかげで、現地語が苦手でも多少の勘が働くと思ったからです。

私は村の女性たちと一緒に、白い布・石鹸・手袋のほか・薬草や樟脳などで作った防腐水・香水を作るための花びらなどを用意し、ご遺体を洗う手はずを整えました。年配の方がいろいろと教えてくれるので大助かり。私たちは言う通りにやるだけです。

だいたい終わったころにハジャ(メッカ巡礼を果たした女性)がやってきました。このハジャは私たちの地域の女性のお葬式には必ずやってきて、ご遺体を洗う際に指揮をとる方です(男性が亡くなったときは男性が体を洗うので別の方が来ます)。ハジャが来たなら、もう安心。近所の人間にできるのはここまでなので、あとはご遺族にバトンタッチしました。

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その後、私はしばらく義母のお葬式とその後の法事を思い出していました。

「これから年配の方々が亡くなって、私たちに代替わりしたら、私たちだけでちゃんとお葬式ができるんだろうか。誰がハジャみたいに取り仕切れるんだろう?」

ハジャだけではありません。私たちの村では冠婚葬祭があると、親族や村人総出で料理をします。お料理そのものはみんな作り慣れていますが、それでも100人以上のおかずを作るのは難しいものです。そこで、お料理を指導してくれる人(仮に「お料理マスター」と呼びます)の登場です!

お料理マスターは料理のスパイスの配合、火の入れ方などいろいろなことを指示してくれます。お料理マスターは男女問わず、何か資格を有しているわけではありません。しかし、近隣の人々には信頼されており、いつも誰に頼むかはだいたい決まっています。どこかの冠婚葬祭などでおいしい料理がでると、「お料理マスターは誰だったの?」なんていう情報が共有されます。

みんなで料理

冠婚葬祭時に忘れてはならないのが、鍋や皿の準備です。

(こちらには料理のケータリングや仕出しがないかわりに、)へ続く

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