よりどりインドネシア

2021年11月22日号 vol.106

ジョグジャ・ドタバタ日記(3):「3ヵ月ルール」と闘った2回目のワクチン接種(沼澤うらら)

2021年11月22日 23:41 by Matsui-Glocal
2021年11月22日 23:41 by Matsui-Glocal

第1回新型コロナワクチン接種がいかに無謀なものであったかは前に書かせていただいております。顛末をかいつまんで書くと・・・。

デルタ株の第二波がインドネシアを襲った7月頃はワクチン接種が争奪戦の様相を呈しており、また接種をする施設も病院、保健センター、民間の検査機関、またはイベントのような単発的な接種会場など様々で、情報も集めにくかったのですが、ようやくアストラゼネカのジョグジャカルタ市民向け接種を予約できるようになりました。安心したもつかの間、システムエラーで市民と認識されず予約に失敗、当日会場に出向いておばちゃんの圧力を精いっぱい使ったアピールで2時間待ってようやく接種ができました、というお話でした。

第2回もまあ一波乱あるだろうとは思っておりましたが、インドネシアの場合、アストラゼネカの第2回接種は3ヵ月後であるということで、ワクチン不足のニュースもないし、11月半ばにまた接種会場を探せばいいかとのんびり構えていたところ、ドタバタの発端となるお仕事依頼のメールが舞い込みました。

そのお仕事とはタンゲランのコンベンションセンター(通称ICE)で毎年開催されている、インドネシア最大のモーターショーGIIASです。コロナ禍の最中に行われた昨年はオンラインでの開催でしたが、厳しかった第二波を乗り越えたという認識の今年は人数制限等をしつつ例年のようなオフライン中心でのイベントにしようという意向があり、再び業務委託を頂いたのです。

今年のGIIAS 2021のロゴマーク(https://indonesiaautoshow.com/)。お得な前売り券は販売絶好調!

2019年の様子。今年はここまで込み合うことはないですが。(https://otomotif.bisnis.com/read/20190721/275/1126725/ini-daftar-mobil-baru-di-giias-2019

主にオープニングセレモニーの同時通訳なので、開催初日である11月11日に現地にいることが条件なのですが、実行委員会側から他の条件が出されました。そのなかの一つで私が引っ掛かったのは「コロナワクチン接種2回を終えていること」(=1回の接種だけではPCR検査陰性でもダメ)でした。

私の第2回接種予定は11月中旬。当然ながらこれに従っていたのでは明らかに間に合いません。

日本ではアストラゼネカのワクチンの間隔はどうなっているのかというと、厚生労働省のホームページでは「1回目の接種後、通常、4~12週間の間隔で2回目の接種を受けて下さい。最大の効果を得るためには、8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいとされています」とあり、8週間以上経過している私は医学的には接種しても問題ないようです。

しかし、インドネシアでは基本的に3ヵ月以上経ってないとできない、ということになっており、医師がアストラゼネカワクチンを解説した記事を読んでも「3ヵ月ルールはマスト」というものばかり。コロナを(一次的かもしれないけれど)乗り越えた喜びあふれる久々のモーターショーのお手伝いしたいと強く思ったので、目標設定を「第2回接種を10月末までに受けて11月のモーターショーに行く!」とし、再び「獲りに行くモード」を全開にしました。

**********

まずはジョグジャカルタ市のアプリJogja Smart Service(JSS)から情報を取ると、数か所でアストラゼネカの接種も行われており、そこまで混み合っていないようで、前日になっても半数しか埋まっていない会場もあります。あとから緊急使用が認められたモデルナのほうが数は少なく人気(?)のようで、早くに予約が埋まっているようです。

JSSは前回、私を市民と認識していなかったのですが、第1回接種の証書はJSSにアップロードされているのでもう認識されたかなと淡い期待を持って予約に進んでみましたが、件の3ヵ月ルールを満たしていないということではじかれ、予約はできませんでした。

悪夢再び・・・。また現場に突撃して暑い中を2時間超も地蔵のように待ち、接種するしかないのか、と憂鬱になりつつ、アストラゼネカ接種会場情報を漁っておりました。

今回のアタックですが、単に10月中にアストラゼネカを接種できればいいのではなく、前回副反応で2~3日具合が悪かったことを鑑み、接種日の後2~3日は通訳の仕事が入っていないことが条件となります。そうすると10月25日午後か26日しかありません。万が一それを満たす接種会場が見つかっても、あの「3ヵ月ルール」で拒否されてしまう可能性があります。もちろんあの手この手で説得しますが、それでも頑なに「3ヵ月ルール」を遵守されてしまった場合、玉砕は避けられない・・・。

そこでまずは「間隔が3ヵ月を満たさなくても大丈夫」という裏付け、エビデンスをインドネシア語で入手することからやってみました。インドネシア保健省のホームページに出ていた、保健省の偉い人の発言にあった、という情報であれば3ヵ月未満の接種も説得力を持つでしょう。

もう一つは「せっかく第二波を超えて仕事がきたのに、2回接種を終えていないと仕事ができないんです・・・」という泣き落とし。でもこれは、ジャワ訛りのガイジンおばちゃんの泣き落としは大した効果がないと思ったのであくまでも副次的な理由とし、やはり前者が大事だということで、これもまたインターネット上で情報を探してみました。

すると保健省のスポークスマンが「アストラゼネカの間隔は2~3ヵ月」と発言している記事を発見。早速プリントアウト。先ほどの日本の厚生労働省のものも日本語ではありますが一応プリントアウト。これで少しは武器が増えました。

引き続き様々なSNSから情報を取っていると、スレマン県の公立病院のインスタグラムに信じられない情報を発見!その情報とは・・・。

(「11月にアストラゼネカ第2回接種を予定・・・)へ続く

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