インドネシアの最東部に位置するパプアは、今も、その他のインドネシアから差別や迫害を受けているという話の絶えない場所です。それだけでなく、外来資本によるオイルパーム農園開発などによる森林伐採など、地元の人々の拠り所としてきた自然社会環境が失われてきています。
様々な困難を強いられてきても表向きは明るく振る舞うパプアの人々ですが、その苦しさや嘆きが口から溢れ出るように謳われるラタパン(ratapan)と呼ばれる哀歌があります。
パプアの村々を歩きながら、このラタパンを収集し、記録している若者であるセプティナ(Septina Rosalina Layan)さんの話が日刊紙『コンパス』で紹介されていました。今回は、この記事の内容を紹介するとともに、2020年1月にジャカルタで初演された、インドネシアを代表する映画監督・演出家であるガリン・ヌグロホ(Garin Nugroho)の新作『惑星―ある哀歌』(Planet – Sebuah Lament)についても触れたいと思います。
ガリン・ヌグロホ『惑星―ある哀歌』の一場面。(出所)https://mediaindonesia.com/read/detail/284271-ratapan-kerusakan-dan-kebangkitan.html
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