よりどりインドネシア

2020年02月09日号 vol.63

ロンボクだより(28):震災の終わり(岡本みどり)

2020年02月09日 18:53 by Matsui-Glocal

先日の1月17日に、阪神淡路大震災から25年を迎えました。今年の終戦記念日は75年目。そして翌2021年3月には東日本大震災から10年です。

おそらくあちこちで追悼式やチャリティーイベントが行われ、特集が組まれることでしょう。そのたびに聞くのが「震災(戦争)はまだ終わっていない」「私たちは忘れない」などの言葉です。

では、一体いつまで震災や戦争は続くのでしょうか。いつ終わるのでしょうか。早く忘れたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

今回は、ロンボク地震から1年半を経て、私の感じたことをもとに考えを書きました。ごく個人的な意見ですが、みなさんと分かち合いたいと思います。みなさんのお考えも教えていただけたら嬉しいです。 

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1月の終わり、私たち家族はいつもと同じ時刻に家を出発し、娘の幼稚園に向かっていました。ところが、大通りが大混雑しています。

一体何事だろうかと様子を見ていると、新しくできたばかりのモスクの前に人がたくさん集まっているのがわかりました。大型バスも停まっています。

聞くと、我らが北ロンボク県からメッカに小巡礼へ行く人々が集まっているとのことでした。

メッカ巡礼を果たす人々は普段なら県庁前のモスクに集まるのに、なぜ今回はここなのだろうと疑問に思いつつ、私は、新しいモスクの「こけら落とし」として巡礼者を送り出すことにしたのかな、と推測しました。

新しくできたばかりのモスク

真相はわかりません。しかし私は、この真っさらの白いモスクの前でメッカへと旅立つ大勢の人々とその家族が集まり抱き合う様子をみて、「これで(私の)震災は終わった」と思いました。

何の脈絡も論理もありません。突然、湧きあがるように「終わった」と思ったのです。

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