以前、筆者は『よりどりインドネシア』第30号の「どうなる?ウォノソボの中心街」(https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/18959/)にて、ウォノソボの中央市場について触れました。2014年に火事で全焼してしまった市場本館と、放り出された商人たち。あれからさらに時が過ぎ、最近また新たな動きがありましたので、今回はその続報をお伝えしようと思います。
●新館、始動!
2014年末、真夜中に火事が起こり、ウォノソボ最大の伝統市場である中央市場はメインとなる建物が全焼してしまいました。政府はすぐに建て直しをすると約束をし、仮設の販売ブースを商人たちに当てがったものの・・・。多くの人の予想通り、遅々として改善されない状況のまま数年が経過していきます。2020年、ようやく新しい建物が着工開始!しかしまだそこから時がかかり、今年8月初旬にやっと入居となりました。火事から実に8年経っての市場再建です。
新しい建物は、「まるでショッピングモールのよう」という謳い文句で注目を集めています。
中央が吹き抜けで、各階の廊下がそれを取り囲むような構造。さらに屋上が駐輪場となっていて、屋上からの眺めを楽しむこともできるのです。ウォノソボにはショッピングモールがないため、「ショッピングモールのよう」というのは「大変都会的で現代的な洗練されたデザインである」というようなニュアンスの褒め言葉です。
オープン以降、市場の新館に行って写真や動画を撮り、SNSにアップするのがトレンドとなりました。すでに長年に渡り馴染みの光景となっていた、道路にはみ出して設置された仮設ブースは撤去され、ウォノソボの中心街は新たな姿を見せています。
念願の市場再建が叶い、商人たちは喜んでいるでしょうか?ところが、100%そうとも言えないのが現状です。
(以下に続く)
- 市場内部事情
- 伝統市場は魅力的たり得るか
読者コメント