よりどりインドネシア

2017年07月22日号 vol.2

首都移転論議、再び

2017年07月22日 12:47 by Matsui-Glocal

インドネシアの首都をジャカルタから他の場所へ移す議論が再び起こっています。ジョコ・ウィドド大統領が首都移転に関する調査を国家開発企画庁(バペナス)に指示したのを受けて、同庁のバンバン・ブロジョヌゴロ長官は7月5日、2017年中に首都移転に関する調査を完了して結果を公表し、2018年に首都移転に関する準備を開始することを明らかにしました。

ジャカルタからの首都移転を行う背景には、ジャカルタの都市機能の低下、とくに交通渋滞の悪化や、過度の人口集中(全人口2億人のうち3,000万人がジャカルタ首都圏に居住)に加えて、ガソリンなど燃料の浪費が挙げられています。

すなわち、ジャカルタ周辺のブカシ、タンゲラン、ボゴール、デポックなどの居住者が毎日ジャカルタ中心部まで車で往復通勤する場合、計算上は、毎年1人当たり65億リッターのガソリンを消費し、計30兆ルピアを浪費していることになります。現在インドネシアは、精製設備の不備から、ガソリンのほとんどを輸入に依存しています。しかも、その輸入量が年々増加し、経常収支を悪化させる要因になる(その結果、通貨ルピアが弱くなる)懸念を強めます。政府は、単なる渋滞緩和や都市としての持続性だけでなく、マクロ経済安定という観点からも、首都移転の可能性を考えていることが分かります。

首都移転は多額の費用を必要とします。バペナスの試算では、年間5〜10兆ルピアを必要とし、それが10年かかると見ています。以下では、これまでにインドネシアでどのような首都移転論議が行われてきたか、振り返ってみます。(以下へ続く)

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