よりどりインドネシア

2017年07月22日号 vol.2【無料全文公開】

クドゥスで本場のソト・クドゥス(松井和久)

2020年01月18日 22:37 by Matsui-Glocal

●ソトはインドネシア独特のスープ料理

インドネシアの有名な料理の一つにソト(Soto)があります。ソトとは、肉や野菜のエキスを含んだインドネシア独特のスープで、主にジャワなどで食べられる料理です。鶏肉を使ったものをソト・アヤム、牛肉を使ったものをソト・ダギンと一般に呼びますが、ソト・アヤムもソト・ダギンも地方によって様々な種類があります。

通常はご飯と一緒に食べますが、ときにはクトゥパット(米を椰子の葉で包んで蒸したもの)と食べるものもあります。後者の代表は、ソト・バンジャル(南カリマンタンのバンジャルマシンの名物料理)で、別の機会に紹介します。

ジャカルタやその周辺ではソトとご飯は別々に出され、ご飯にソトをかけて食べることが多いです。一方、中ジャワ、ジョグジャカルタ、東ジャワでは、ソトの中にご飯が入っていて、一緒に食べるほうが一般的で、これをナシ・ソトと呼んでいます。鶏肉の場合はナシ・ソト・アヤムとなります。多くの食堂では、ご飯をソトと別にするか、一緒にするかと聞いてきますので、お好きなほうを選んでください。

ソト・アヤムには実に様々な種類があり、このウェブマガジンでも色々と紹介していきたいと思いますが、今回は、日本人の方の口にも合いそうなソト・クドゥスを紹介します。

●ソト・クドゥスを食べに行く

ソト・クドゥスが日本人の口に合うと思うのは、スープが透明でコッテリしておらず、ご飯との絡みもサラサラとなり、ちょっとお茶漬けのような感覚で食べられる点にあります。ちなみに、ココナツミルクを使った白色のソト・ブタウィ(ジャカルタ周辺のソトでふつうはトマト入り)や黄色のソト・ラモンガン(スラバヤで一般的なソト)は、ちょっとコッテリしていて、ボリューム感があります。

2014年2月、たまたま出張で中ジャワ州クドゥスへ行く機会があったので、本場のソト・クドゥスを食べてきました。向かった先は、クドゥスのやや大きめのパサール(市場)の一角です。下の写真が入口。

中に一歩入ると、右も左もソト・クドゥス屋。何軒ものソト・クドゥス屋が軒を並べています。いずれもずいぶんと年季の入った店構えでした。

私が入ったのは、Bu Ramidjanという店。どの店もカウンター形式で、客の目の前には様々なソト・クドゥス用の食材が並び、客が好みの食材を入れるよう告げると、その向こうで、おじさんやおばさんが手際よくソト・クドゥスを作ってくれます。

注文する際、「肉は鶏肉にするか、水牛肉にするか」と聞かれます。それまで、ソト・クドゥスといえば鶏肉だと思っていたのでちょっとびっくりです。でも、もともとは水牛肉が元祖だったらしいので、水牛肉にしてもらいました。そういえば、チョト・マカッサル(注:第1号で紹介)も、もともとは水牛の肉と臓物を食べるための料理だったのを思い出しました。

●水牛肉のソト・クドゥス 

これが水牛肉のソト・クドゥスです。ご飯が中に入っているので、正確にはナシ・ソト・クドゥス。水牛肉は固いというイメージがありましたが、ええーっと思うくらい、柔らかい肉で、水牛に特有の生臭さもありませんでした。

このソト・クドゥスは、本当に絶品でした。水牛肉の柔らかさ、キャベツやもやしの適度なシャキシャキ感、それに絡むスープとご飯、アクセント役の揚げニンニク。もう、たまりません。この美味しさを言葉にすることは難しいです。これを食べるためだけでも、クドゥスに来て本当に良かったと思えるほどでした。

ソト・クドゥス屋では、最初に「ソトにするか、ピンダンにするか」と聞かれます。ピンダンというのは、酸っぱい味のスープです。次に「肉は鶏肉か、水牛肉か」と聞かれるのです。ちなみに、一緒に連れて行ってくれた運転手くんは、水牛肉のピンダン(下写真)を頼みました。

ジャカルタでは、おそらく水牛肉を使ったソト・クドゥスは見かけないのではないかと思います。また、ピンダンを一緒に出すソト屋もないでしょう 

余談ですが、このBu Ramidjan(「ラミジャンおばさん」の意)という店で料理を出してくれたのはおじさんだったが、ふと向かいを見ると、同じようなソト・クドゥス屋があり、店の名はPak Ramidjan(「ラミジャンおじさん」の意)でした。そこでは、おばさんがソトを出している。この両者、どういう関係になっているのか聞いたが、要領のいい答えはもらえませんでした。謎です。

(松井和久)

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