みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
ロンボク島はまとまった雨が降りはじめ、雨季到来を感じるようになりました。私がいまこの原稿を書いている真後ろでポッタンポッタンと雨が漏っており、すぐ屋根の点検をしたいところです。
今回のロンボクだよりは、「恥ずかしい」という感情について、書いていきます。
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私がロンボク島の人々やインドネシアの人々に一番親しみを覚える言葉の一つが「malu(恥ずかしい)」です。
マァルゥゥゥ(恥ずかしいぃぃぃ)と身をよじるのをみるたびに、うわ~その気持ちわっかる~と共感します。言葉にしなくとも、「今、恥ずかしく感じているんだな」と察することのできる場面にも多々出くわします。
たとえば、学校の授業で「誰か~、これやってみたい人!」などと声をかけると、ほとんどの子が目を逸らします(笑)。そして、何人かのやんちゃな生徒たちの間でつつきあいがはじまります。
おいお前いけよ、いやお前だろ・・・のやりとりから、「先生、○○君がやりたいそうです!」「ちょ・・・何言ってんだよ」までがお約束です。
「みんなマルマルクチン(本当はエサがほしいのに寄ってこないネコのように、したいことがあるのに恥ずかしくて遠慮する様子)だねぇ」と笑えば、一気に場が和みます。
「ご飯だよー」と呼んだのになかなか来ない猫(マルマルクチン)(写真は神道有子さん提供)
またつい先日、こんなこともありました。
青年海外協力隊時代の同僚である友人から、突然、電話が鳴りました。彼女は西ロンボク県に住んでいます。が、今、彼女の家から40キロ離れた北ロンボク県の我が家の近くにいるというのです。聞けば、北ロンボク県の県庁近くに宿泊先を探しているとか。
私は慌てて彼女に会いに行きました。外は雨で、もう日が暮れかけようとしています。「ここじゃ濡れるだけだし、とにかくうちにおいで」
彼女は、ご主人と4歳の子どもの3人でバイクに乗って来ていました。翌朝、北ロンボク県の県庁舎で契約保健職員の試験があるとのこと。コロナの検査をするため、受験生の集合時間がなんと朝の6時でした。そりゃあ県庁舎の近くに泊まるのがいいけれど、我が家からまだ8キロほどあります。
この雨のなかバイクでこれ以上移動するのは危ないなぁ、と考えていたら、彼女は、我が家に空き部屋があったら泊まらせてくれないかしら、と尋ねてきました。私は「うん、そのほうがいいよ」と返し、空き部屋を彼女とご主人に見てもらいました。
念のため、外出していた夫に電話で確認。夫はすぐに帰宅してくれました。
ことの次第を夫にもう一度話すことになったとき、私の友人はまた話を振り出しに戻して、北ロンボク県庁舎近くに宿泊先を探していると言い出しました。
「おーい、うちに泊まりたい話はどこへいったー!」。
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