中ジャワ州の州都スマランは、人口150万人の静かで落ち着いた佇まいの街です。ジャカルタから飛行機で1時間弱、スラバヤからだと40分ほどで到着します。
近年、ジャカルタ周辺から中ジャワ州への企業移転の動きが見られるようになり、日本企業の間でも話に出る街ではないかと思います。物価がジャカルタよりもずっと安く、しかも地元の料理の種類が豊富で、ジャワ料理はもとより、中華料理も美味しいことで有名な町です(食べものは別の機会に改めてご紹介します)。
実際、スマランの手前、スマラン市内から1時間弱のクンダル県には、シンガポール系のSembawang Corporationとインドネシア国内資本のJababekaが組んで開発したクンダル工業団地があり、ジャカルタからの高速道路の延伸を見込んで、日本企業の進出が加速してくるのではないでしょうか。
スマランの人口構成の主力はジャワ族ですが、昔からの華人系コミュニティも根付いています。中国・雲南出身のイスラム教徒で、15世紀に船団を率いて現在のインドネシア領などへ大航海した鄭和を祀るSam Po Kong(三宝洞)という大きなお寺は、スマラン市の有名な観光スポットになっています。
このスマランで今、話題になっているのが、17世紀ごろのオランダ植民地時代に建てられた古い町並みの残る「コタ・ラマ」(Kota Lama)という地区です。スマランに行かれたら、ぜひ、忘れずに訪れてみてください。その理由は・・・?
コタ・ラマは市の中心部のやや北東側、鉄道のTawang駅の周辺の約31ヘクタールの区域です(上の写真に見えるのがTawang駅の建物です)。
ここは、19〜20世紀初めまでスマラン市の商業センターでした。現在、古い建物を活かした町並み再生が進められており、105軒の古い建物のうち、70軒は民間に貸し出し、美術館、事務所スペース、カフェなどにリノベーションされて活用されています。
では、コタ・ラマの様子を写真で見てみましょう。
石畳の道路は普通に車が通る道路。
リノベーションしてカフェになった建物。
そのカフェの内部。
美術館として改装された建物もある。
左下の29番はスマラン市内で最も有名なSate Kambing(山羊のサテ)屋。
(松井和久)
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