(編集者注)本稿は、2022年11月7日発行の『よりどりインドネシア』第129号に所収の「ロンボクだより(79)」の続きです。2018年に起きたロンボク地震の記憶をつづります。なお本稿は2023年1月発行の『よりどりインドネシア』第133号に続く予定です。
今回は、学校教育の復旧の様子を書いていきます。校舎を建て直すのはもっとあとになりますが、地震のあと学校が再開するところまでを追いました。
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私たちの集落が避難したところでは、地震後一週間ほどで青空学級をはじめました(『ロンボクだより(65)』参照)。子どもたちには怖い思いをせずに楽しい時間を過ごしてほしいと願っていたからです。
日が経つにつれ、食べ物や衣類以外の物資も届き始めたため、青空学級は様々な形で続けることができました。
たとえばこんなふうに。
- 絵描き、塗り絵
- お菓子づくり、パンづくり
- 草花摘み、周辺探検、鬼ごっこ
- イスラム教の勉強
そしてある日、外国人がロンボク島で展開しているNGOから集落にテントとノート・鉛筆・ミニリュックサックを寄贈してもらえました。テントは集落にある空き地に立て、子どもたちはほかの避難地の子どもたちと一緒に勉強できるようになりました。
といっても、先生方はあちこちに避難しているし、子どもたちもバラバラになっています。なので、「今このあたりにいる子どもたち、みんなおいで~」と集めて、ボランティアの学生や大人が何らかの活動を提供して遊ぶのみ。
クッキーづくり
大学生によるお楽しみ会
小さな子どもたちは楽しんでいましたが、高学年以上にもなるとだんだん面白くなくなってきたようす。彼らは気持ちを切り替えて弟や妹のお守りに徹してくれていました。
だけど、お兄ちゃん・お姉ちゃんも早く本当の学校に行きたいよね。友だちとも会いたいだろうなぁ・・・。
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そう思っていたところ、大規模避難地(『ロンボクだより(71)』)で小学校の授業が再開されたと噂に聞きました。テントの中で先生が教えている、といいます。
「え!どうやってるの?見に行きたい!!!」
私は一緒に青空学級をしていた大学生を誘って、大規模避難地まで学校の視察にいきました。
8月24日、大規模避難地へ。校舎がわりの大きな白いテントが2張、見えました。低学年用と高学年用に分けているそうです。
高学年用を見学したかったのですが、まだ掃き掃除をしていたので低学年用を見ることにしました。
テントの入り口には子どもたちのサンダルがいっぱい!生徒の保護者たちも立ち見しています。だけど!!今日私はこの中をみたいんです!!!
サンダルや他のお母さんたちをかき分けながら、なんとか場所を確保。生徒は1~3年生全部で40人ほどでしょうか。先生と思しき大人が2人いました。なんと扇風機があります(まだ電気が復旧していないので使えませんが)。
学校視察、テントの中
(⇒ 先生は子どもたちの名前を・・・)
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