先日、何か月かぶりに待望の雨が降った。
ひとたび雨が降ったら、村の人々のお楽しみはマンディ・フジャン。
マンディ・フジャンとは、雨の降るなか戸外へ出て雨をシャワーがわりに浴びることだ。
なぜかこれは家の庭で行うのではなく、近所をぐるぐる歩きまわりながら行うことになっている。下手すれば、シャンプーのボトルを手にシャンプーしながら歩いている人もいる。
早速、私もマンディ・フジャンの大好きな娘と一緒に外へ繰り出した。私は体が冷えるのを避けたく、雨合羽を着ていた。
路地ですれ違う若者たちに「あの人、(楽しみ方を)わかってないなぁ」と思われたかもしれない。でも雨は冷たいんだもの。
**********
雨水をいっぱい浴びながら歩いていると続々と村の子どもたちと合流し、20人ほどの大きなグループになった。広場で男の子たちはサッカーを、女の子たちは鬼ごっこをしはじめた。
段々と、お兄ちゃん・お姉ちゃんの体力に追いつかない小さな子どもたちが疲れて座るようになった。雨合羽をきている外国人の私をチラチラッと何人かが見ては小声で話しているのがわかった。
子どもたちが私のほうへじりじりと近寄ってきた。
「ねぇ、歌うたって」
もじもじしながら子どもたちは私に話しかけた。
はて、歌?
小学3年生のインドラちゃんがみんなの声をまとめた。
「おばちゃんが避難地で教えてくれた歌あったでしょ? あれをまた歌いたいんだって」
ああ、その歌か。
子どもたちと一緒に手遊び歌を歌う
読者コメント