9月、乾季のサラサラした爽やかな空気のなか、このところ残念なニュースが続きました。ブロモ山の山火事に、ジャカルタの国立博物館の火事・・・。どちらも大切な資源や貴重な歴史的資料の喪失は取り返しのつかないものです。乾燥した季節であることに加え、今年はエルニーニョが発生するとして、長い乾季と少ない雨が予想されていたことも恐らく影響しているのでしょう。インドネシア以外でも大規模な山火事が世界各地で起きており、人的被害が深刻なほか、何日も続く火煙が大気汚染も発生させています。
さて、一方でウォノソボもここのところ立て続けに火事があり、にわかに火事への関心が高まってきました。実は、ウォノソボは中部ジャワ州の中でも火災件数がワーストワンの地域なのです。また、ウォノソボで起きる災害のなかでは土砂崩れに次いで火事の件数が多くなっています。何故こうした事態になっているのでしょうか?まずは最近起きた火事の様子を見ていきましょう。
●燃えたスンビン山
ウォノソボの北東に位置するスンビン山(Gunung Sumbing)が9月1日夜、燃えていると通報があり、消防が駆けつけました。
しかし火災発生箇所が標高2,500~2,900メートルの斜面であったため消防車は入れず、グピョッ(Gepyok)と呼ばれる熊手のような伝統的な消火道具を使っての手作業での消火活動となったのです。迅速な消火とはいかず、軍や警察も出動する事態となりました。
3日にわたって燃え続けたスンビン山は9月3日にようやく鎮火され、その後も残り火がないかしばらく監視されていました。全ての登山口が閉鎖され、60人超の登山客は早期に避難誘導されたこと、また近隣住民の住居からは遠かったことなどから、幸いにも人的被害はありませんでした。
しかし火災の原因は結局わかっていません。県警察長のエコ・ノファン(Eko Novan)は「登山で火を使った場合は、完全に火が消えたのを確認してからその場をあとにしてほしい」と呼びかけました。また、県の防災局(Badan Penanggulangan Bencana Daerah)のバンバン・トゥリヨノ(Bambang Triyono)局長は、最終的に焼けた範囲は240ヘクタールに及んだと発表しました。
この週は、他にも2件の火事がウォノソボで起こりました。いずれも電化製品のショートによると見られる火事で、周囲に延焼したものの比較的早急に消化され人的被害はありませんでした。
(以下に続く)
- 火事の要因
- 限られる消防活動
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