何年か前に、「もし○○ならば、あなたはインドネシア人かも」とか、「インドネシア人になるためには○○をしよう」という、インドネシア人の特徴を面白おかしくリストアップした笑い話がネットで出回ったことがあります。
ネット検索してみましたが、当時出回っていたオリジナルのインドネシア語版は見つかりませんでした。でも、同じ時期に外国人駐在員用に書かれたと思われる英語版のものは見つかりました。最近はYouTubeで、アメリカ人青年がインドネシア人を話題にしたり、インドネシア在住のカナダ人女性がインドネシア人の特徴を話題にしたチャンネルを作ったりしているので、そちらも参考にして「インドネシア人の特徴」を検証してみました。
それらの特徴は、「うん、そうそう!」などと頷けるものも多く、インドネシア人である主人や娘たち、そして友達と共有するのは楽しいのですが、下手するとインドネシア人全体を卑下しているように思われそうな内容もあり、共有するのには注意が必要です。実際、主人に見せたときに、主人が「ふざけ過ぎている!」と気分を害したことがありますので。
下記は、上述の駐在員用の英語版を和訳したものですが、111項目もあり、なかには時代遅れのものや、否定的に捉えられるものも多々ありました。そこで、現在でも通用すると思われるもの、ネガティブになり過ぎないものを抜粋して訳してみました。
●その1:Living in Indonesia / A site for Expatriates(https://www.expat.or.id/info/anindonesian.html)
下記が当てはまれば、あなたはインドネシア人かも・・・
- 一日米飯を食べないと、お腹の調子が悪くなる。
- ABCケチャップは不味い料理をグルメ料理に変えることができると信じている。
- 10個以上の略語を知っている。
- 映画鑑賞している間、お喋りする。
- 朝食にナシゴレン(インドネシア炒め飯)を食べる。
- 450 mlのチリソースを旅行に持って行く。
- 道路にできた穴や障害物を避けることに長けている。
- Super Mie(インドネシアの即席ラーメン)は主食だと思っている。
- 海賊版CDやDVDを買ったことがある。
- 1945年インドネシア共和国憲法を記憶させられた経験を持つ。
- 屋台やカキリマ(移動式屋台)で売っているものを食べた事がある。
- 「ジャカルタ」と聞くと、先ず「渋滞」が頭に浮かぶ。
- 他人が時間に遅れるのを気にしない。
- Terasi(小エビを発酵させて作る調味料で刺激臭がある)の匂いが好き。
- 結婚式披露宴には、ビュッフェ料理を食べ終わるまで出席する。
- 招待されていない披露宴に出席したことがある。
- 台所にBaygon(殺虫剤の人気ブランド)を1缶は置いてある。
- Gengsi(面子、プライド)を基に、主要な判断をする。
- 公園に行き、Teh Botol(庶民に愛されている甘いジャスミンティー)を飲む。
- クローブ(丁子)を食べ物からよりも煙草から消費する。
- 財布に入りきらない程のクレジットカードを所有している。
- 一緒に食事をした相手にトイレットペーパーやティッシュボックスを渡す。
- 目的地の3メートル以内に駐車する。
- ホルマリンは、ごく一般的な食品防腐剤だと思っている。
- 医者よりDukun(超自然的能力を持つと信じられる伝統的な祈祷者や呪者、治療師など)を信じる。
- Tシャツに書かれた英語や日本語の下品な文句を気にしないで着用する。
- あなたの車の後ろが渋滞していても時速10キロで走るのは問題ないと思う。
- 非公式な場なのに、名前の前後に一つ以上の肩書きを使う。
- チリソースをかければ食べ物が美味しくなると思っている。
- 恋人とのデートの時間の多くは、他の友達とのチャットに費やされる。
- 同じポーズの写真を10枚は撮る。
- ショッピングモールに行くときは、全員(パパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃん、いとこ、兄弟、息子、娘、甥、姪、ベビーシッター、その他)を連れて行く。
以上ですが、インドネシア在住の読者の方はどう思われますか。ご自分の行動に当てはまりますでしょうか。私のようにインドネシア在住が長いと、自分自身にも当てはまることが多々あり、自分が「ローカル化」していることを認識せずにいられません(笑)。
●その2:Smile Squad (https://www.youtube.com/watch?v=ezhr3tmmewI)
アメリカ人のYouTuberで、“Smile Squad”というチャンネルを作っているMarkianという名前の青年がいます。チャンネル登録数は71万人強です。Markianは甘いマスクの白人の男子(私の年齢からすると息子のような)で、彼の他に中華系アメリカ人の男の子と、イタリア系アメリカ人(風の)の男の子が出演します。彼のチャンネルには「〇〇人の友達を持つとこんな感じ」という特集があり、いろんな国籍の人を取り上げています。他国の人を笑いモノにするというのではなく、国によって様々な常識があるのだということを、ユーモアを交えて気づかせてくれる動画に仕上がっています。そのなかで、「インドネシア人の友達を持つとこんな感じ」では、インドネシア人の女の子が下記の行動をして、Markianを困惑させるという設定のショートドラマが作られています。
- Tシャツを足拭きマット代わりに使う。
- Jongkok(ヤンキー座り)する。
- ポップコーンよりKerupuk(エビせんべい)をカリカリと齧るのを好む。
- 1台のバイクや自転車に数名で乗ろうとする。
- トイレットペーパーではなく、トイレットシャワーを使う。
- フライドポテトにはケチャップよりチリソースをかけるのが普通。
- 転んだ時や打撲した際に医者に行かず、先ずマッサージ店の馴染みのマッサージ師に予約を入れる。
- 旅行にはIndomie(インドネシアの人気即席ラーメン)と炊飯器は必携。
- 風邪のひき始めの人に、コインを使ってのKerokan(背中をコインで擦り、悪い「気」を出すとされる療法で、軽い点状出血を起こす)を勧める。
- ピザを食べるのに、米飯を上にのっけて食べる(根っからの米好き)。
- 寝る時にGuling(円柱形の抱き枕)を抱きながら寝る。
- 左手で物を渡されると、失礼な人と感じる。
- 携帯のチャットで、面白い話に“wkwkwkwkwk”と返信する。
- 意味もなくDangdut(インドネシアの歌謡曲で、踊りが伴う)に合わせて踊る。
このプログラムでは、「インド人の友達を持つと・・・」や、「ブラジル人の友達を持つと・・・」、「トルコ人の友達を持つと・・・」など、様々な国籍の女の子が出てきて、Markianとの二人芝居を演じます。女の子の容貌も関係はするのですが、インドネシア人の女の子は魅力的にも関わらず、女性らしさが感じられず、その行動から中性的なイメージが拭えないのはなぜでしょうか。
地方によって違いはあるものの、とくにジャカルタで働く都会の女性は言葉や話し方、そして振る舞いにおける男女の違いが薄いような気がします。これは良し悪しではなく、文化の違いだと思いますし、「日本の常識は世界の常識ではない」ことを私自身がより認識すべきなのですが、「女の子は女の子らしく」と育てられた私の世代には違和感があるのも事実です。あくまでも持論ですが、男女の言葉や話し方、仕草、振る舞いにおける男女の差が薄いために、インドネシアのドラマや映画は、欧米のような甘いロマンチックな男女関係を描くのが苦手な気がします。皆さんは欧米や他アジア諸国の女性とインドネシア人の女性を比べて、特別な違いを感じることはありませんか。
●その3:Sacha Stevenson(https://www.youtube.com/watch?v=Bp2Fnt0VbSo&list=PL1kksnrT6Y70Rr8H7HiKUdz6y86wsEI74)
Sacha Stevensonはインドネシア人をご主人に持つカナダ人女性で、2013年から“How to act like an Indonesian”(インドネシア人のように振る舞うには)というYouTubeチャンネルを公開しています。チャンネル登録数はなんと120万人! インドネシア語が流暢な彼女は自作自演、一人二役・三役でインドネシア人になりきって「インドネシア人あるある」動画を作っています。このプログラムは25回まで続き、その後、彼女は結婚、出産を経ながら、いくつかのテーマでプログラムを作っています。いくつかのコメディ映画やTV番組にも出演しています。ジャカルタの生活が嫌になり、バリに引っ越した彼女は、現在、“SELEB English”というタイトルで、インドネシア人のセレブリティが話す「英語」をネイティブ・スピーカーの観点から評価する動画を作っています。
彼女はインドネシア語の「俗語」を現地人顔負けに話します。彼女はイスラム教徒でもあり、インドネシア人社会にかなり溶け込んでいる様子が動画から分かります。そのため、本来、非常にセンシティブなトピックである宗教の話題や、モスクでの礼拝なども笑い話に入れており、その点が批判の対象になることもあるようです。コメントには「インドネシア人は乞食じゃないぞ」、「白人の『上から目線』の見方に過ぎない」などという批判や中傷も少なからずありますが、その反対に「インドネシア人以上にインドネシア人を理解している」とか、「こういう人、ウチの近所にいるわ~」などというファンからの肯定的なコメントが圧倒的に多いのも事実です。さて、その“How to act like an Indonesian”(インドネシア人のように振る舞うには)の25話にはいろんなインドネシア人の特徴が出てきますが、私の印象に残っているものを羅列してみます。
- 米飯を食べないと病気になると信じている。
- 何処でもJongkok(ヤンキー座り)をする。
- 外国人を見ると、相手が男性でも女性でも「ミスター(最後のMisterのRは巻き舌で)」と呼ぶ。
- トイレを終えた後に、便座をトイレットシャワーで濡らす(タイル床は濡れたまま)
- 髪のノミ取りをしてもらう。
- 転んだ時や打撲した際には医者に行かず、先ず馴染みのマッサージ師を呼ぶ。
- 現代医療よりもDukun(超自然的能力を持つと信じられる伝統的な祈祷者や呪者、治療師など)を好む。
- 初めて会った人に対して臆面もなく年齢を聞いたり、「痩せている、太っている」などの身体的特徴を口にしたりする。
- Sinetron(ソープオペラ、昼ドラ)視聴は、最高のエンターテインメント。
- 新生児を布でグルグル巻きにする。
- Sombong(傲慢、天狗になる)という言葉を利用して、相手を動かす。(Sombongと言われるのを嫌うため)
- パジャマで家の近所を出歩く。
- 初めて会った人に対して山ほどの個人的な質問をして、最後に携帯の番号を聞く。
- 氷を食べると病気になると信じている。
- ゴミを何処でも構わず捨てる。
- ルピア紙幣は汚いのに、海外通貨の紙幣がほんの少しでも折れていたり汚れていたりすると換算レートを下げる。
- Sinetron(ソープオペラ、昼ドラ)の奥さん役は、寝起きでもしっかりメイクで、ドラマの展開で必ず一回は気絶する。
Sacha Stevensonの動画は、言葉にすると辛辣に聞こえますが、上記はステレオタイプではないにしても、ご近所や知り合いに必ずいる人たちを題材にしています。
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上記3つの情報源には幾つかの共通項があります:
- 米を主食とし、米飯を必ず食べる。
- Jongkok(ヤンキー座り)をする。
- トイレで用を足した後にトイレットシャワーを使う。
- 病気になったら医者ではなく、民間治療を求める。
- Sambal(チリソース)を何にでもかける。
この5つの共通点については、インドネシア人の誰も否定できないでしょう。
(以下に続く)
- 米を主食とし、米飯を必ず食べる。
- Jongkok(ヤンキー座り)をする。
- トイレで用を足した後にトイレットシャワーを使う。
- 病気になったら医者ではなく、民間治療を求める。
- Sambal(チリソース)を何にでもかける。
- 私が日頃感じるインドネシア人の特徴
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