よりどりインドネシア

2023年03月23日号 vol.138

「文学」に関連する記事

市民ジャーナリズムを鼓舞した親友リリを悼む ~『スラウェシ市民通信』再掲を前に~(松井和久)【全文無料公開】

3月10日、私の親友であるメルボルン在住のリリ・ユリアンティ(Lily YuliantiFarid)が52歳の若さで亡くなった。彼女は南スラウェシ州出身のジャーナリストであり、小…

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日本の近代文学を訳す(その1)(太田りべか)

今回はちょっと翻訳の話を。以前、『よりどりインドネシア』第78号(2020年9月22日発行)で、出版社PenerbitMaiが実施している若手翻訳者プロジェクトについて触れた。当…

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詩から生まれて詩に還る物語(太田りべか)

ジョコ・ピヌルボ(JokoPinurbo)、通称ジョッピン(Jokpin)は、現代のインドネシアの代表的詩人のひとりだ。1999年の処女詩集『ズボン』(Celana)から2022…

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海は語る(太田りべか)

2022年11月9日にジャカルタ・コンベンション・センターでの国際ブックフェア開会式で、レイラ・S・チュドリ(Leila S. Chudori)の長編小説LautBercerit…

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ウィジ・トゥクルの娘(太田りべか)

9月7日は「インドネシア人権擁護活動家の日」とされている。人権擁護活動家で、「行方不明者と暴行被害者のための委員会」(KontraS)の設立者のひとりであるムニール・サイード・タ…

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クィア文学(太田りべか)

去る3月に、2022年のブッカー国際賞ノミネート作品のロングリストが発表された。ブッカー国際賞は英国のブッカー賞の翻訳部門にあたる文学賞で、英語に翻訳された文学作品が対象となる。…

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Cantik Itu Luka の20年(太田りべか)

今やインドネシアを代表する作家のひとりとなったエカ・クルニアワンの処女長編小説にして代表作である Cantik Itu Lukaが、初版出版から20年を迎えた。2002年に初版を…

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猫の話(太田りべか)

●ポンスの話 俺は猫だ。名前はポンス。なぜそんな名がついたのかは、あとでわかるだろう。もっとも、猫にとって本来名前などどうでもいいものだ。犬と違って、飼い主がつけた名で呼ばれたか…

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闘う女性作家たち(6):ふたりのララ(太田りべか)

先ごろNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が終了した。祖母・母・娘の三世代100年にわたる家族の物語だ。毎朝楽しんで観ながら、自分の親のことでも意外と知らないことが多い…

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闘う女性作家たち(5)― ジギー・ゼジャゼオフィエンナザブリズキー ―(太田りべか)

ZiggyZezsyazeoviennazabrizkie。長い名前だ。コピペなしでは正確に書けそうにない。本名だという。四人姉妹の三女で、四人とも最初の名前はZiggyらしい。…

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闘う女性作家たち(4) ― インタン・パラマディタ ― (太田りべか)

今回紹介するインタン・パラマディタ(IntanParamaditha)は、現在、筆者がもっとも注目している作家のひとりである。2017年に発表した初の長編小説 "Gentayan…

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闘う女性作家たち(3) ― ラクスミ・パムンチャック ―(太田りべか)

これまでの2回で取り上げた作品の登場人物たちは、自分の置かれた場所に「止まる女」たちだったが、今回紹介するラクスミ・パムンチャック(LaksmiPamuntjak)が描き出すのは…

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闘う女性作家たち(2)― ディアン・プルノモ ―(太田りべか)

前回紹介したオカ・ルスミニの代表作 "TarianBumi"(『大地の舞』)の登場人物は、どれほど理不尽で苦労ばかり多くても、基本的に自分の置かれた環境から出て行こうしない女たち…

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闘う女性作家たち(1)―オカ・ルスミニー(太田りべか)

昨年11月に開催されたUbud Writers and Readers Festival: Kembali2020で、インドネシア教育文化省言語育成振興局が発表した2020年度の…

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東の人々(太田りべか)

コロナ禍でいろんなことが変わってしまったが、なかには歓迎すべき変化もあった。そのひとつは文芸イベントがオンラインで開催されるようになったことだ。インドネシアでは、小規模なものはイ…

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おとぎ話の闇と引力(太田りべか)

国際交流基金アジアセンターで、アジア文芸プロジェクトが実施される。アジア各国の「若手作家にコロナ禍のアジアの現在をテーマにショートストーリー・随筆を書き下ろしていただくとともに、…

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フェミニズムで読み解くチャロン・アラン伝説(太田りべか)

文学者・詩人であり哲学者でもあったトゥティ・ヘラティ(Toeti Heraty)が、2021年6月13日に亡くなった。87歳だった。トゥティ・ヘラティはまたインドネシアのフェミニ…

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村上春樹の影(太田りべか)

村上春樹の長編小説『騎士団長殺し』第1部、第2部のインドネシア語訳 "Membunuh Commendatore" Jilid I & IIがKepustakaan Popule…

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フォーマット小説-イラナ・タン四季4部作(太田りべか)

『よりどりインドネシア』第92・93号の「往復書簡-インドネシア映画縦横無尽」第18・19信で、横山裕一さんと轟英明さんが映画『ウィンターイン東京』を取り上げておられた。この映画…

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ジュパラの女傑カリニャマット(太田りべか)

中ジャワ州北海岸に位置する町・ジュパラ(Jepara)に、カリニャマタン(Kalinyamatan)と呼ばれる地域がある。16世紀の一時期、その地を支配していたのは、兄と夫が続い…

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