みなさん、こんにちは。早くも年末ですね。年忘れに、今年の職場(学校)で一人心動かした小話をお贈りします。どうぞ良いお年をお迎えください。
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今年の5月末に行われた学校の試験での話です。
この日は宗教のテスト。インドネシアには「宗教」という科目があるのです。生徒たちは、各々の信仰する宗教ごとに分かれてテストを受けます。
私は高校二年生のイスラム教徒の教室へテスト監督として入りました。
テストは論述問題がほとんどで、いちばん最後に次のような問題がありました。
「北ロンボクにはさまざまな宗教を信仰する人々がいるが、どうすれば異なる宗教の人々同士で調和を実現できるのか。あなたの考えを述べなさい」
へぇ、宗教のU先生(仮名)、すごくいい問題を作るんだなぁ!
ひっそり感動しました。
私だったらなんて答えるかなとしばらく考えたのち、テスト監督の特権で生徒たちの解答用紙をチラッと確認。
「お互いに敬意を払う」「助け合う」「その人の宗教や文化で人を判断しない」「それぞれの信仰の邪魔をしない」「どんな宗教の人とも挨拶をする」などなど様々な解答がありました。
生徒の答えもいいな!
宗教(仏教)の実技試験の様子(本文の内容とは関係ありません)
数ヵ月後、U先生と話す機会があり、私は良問だと思ったことを伝えました。
「どうして僕があの問題を作ったと思います?」
「え~。現にイスラム教、バリ・ヒンドゥー教、仏教と3つの宗教の人がこの校区に住んでいるから・・・ですかね?」
U先生は静かに首を横に振って、これは僕の実体験なんですよ、と微笑みました。
実体験?どういうことだろう?
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(⇒U先生は東ロンボクに生まれ・・・)
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