よりどりインドネシア

2022年11月23日号 vol.130

BOP層コミュニティを歩く(2013~2014年)(4):スラバヤでの家庭訪問(その3)(松井和久)

2022年11月23日 17:23 by Matsui-Glocal
2022年11月23日 17:23 by Matsui-Glocal

以下は、2013年10月に書いた文章です。この頃、いわゆるBOPビジネス支援という業務の関係で、ジャカルタやスラバヤの低所得層(以下、BOP層と記述)のご家庭を訪問することがよくありました。

ちなみにBOPとはBottom of Pyramidの略で、BOPビジネスとは、途上国の低所得者層を対象とし、現地の貧困における諸問題の改善と利益確保の両立を目指す事業活動を指します。

もう10年近く前の話ですが、今、読み返しても、興味深い話が見受けられます。折に触れて、そのいくつかを加筆修正のうえ、再掲していきます。

**********

家庭訪問(2013年9月28日)

東ジャワ州スラバヤ市ダルモ地区のS氏(50歳)宅を訪問

●S氏について

S氏は、2年前から近くのコンビニ(アルファマート)で警備の仕事をしている。それ以前は、25年間、塗装工を務めてきた。

S氏夫妻

●共稼ぎで細々とした世帯収入

S氏は、コンビニの警備の仕事で1ヵ月に60万ルピア程度の収入がある。妻はカンプン(集落)内で野菜を売っており、その収入が1ヵ月に50万ルピア程度ある。野菜は近所のパサール(市場)から仕入れる。

妻が野菜を売る自宅のスペース

●家族構成

妻1人、子供2人の4人家族。子どもは大学生(私立大学で経営学を勉強)と中学生。自宅周辺には親戚が住んでいる。カンプン内の約60世帯中4世帯が身内である。

S氏の兄はマレーシアへ出稼ぎしており、S氏の両親が存命中は兄からの仕送りがあったものの、他界した今、仕送りはなくなった。

●狭い住居

この家には家族が1960年頃から住んでいる。これまで3回、自前で改修した。部屋は寝室、リビングの2部屋で、寝室の隅にキッチン台があり、煮炊きは家の外の排水路の上で行っている。

全部で15~20平方メートル程度の狭い家である。リビングの天井まで物が置かれ、リビングというよりも物置のような部屋だった。

リビングの天井

リビングというより物置のような部屋

寝室とその脇のキッチン台

冷蔵庫の中には、野菜などが保管

排水路の上も活用。水は溜め置き

煮炊きは家の外の排水路の上で行う

自宅と親戚の家の間に排水路が流れている。寝室の脇に小さなキッチン台があるが、排水路の上が事実上の台所の役割を果たしている。

沐浴や洗濯は、排水路を挟んだ反対側にある兄の家(マレーシアへ出稼ぎで留守)で行うとともに、2人の子どもの寝室としても使われている。

左側の入口がS氏の兄の家

S氏の自宅の軒下には鳥かごが掛けられており、1日中、鳥の鳴き声が聞こえてくる生活である。

自宅の全景。鳥を飼っている。

水道は1ヵ月前に入ったが、その前までは井戸だった。煮炊き用には、井戸から汲んだ水を溜め置きして使っていた。

入ったばかりの水道栓

(以下に続く)

  • 生活リズム
  • 質素な食事・調理
  • まとめと感想

 

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