よりどりインドネシア

2022年11月23日号 vol.130

ロンボクだより(80):それ、うちで売らない?(岡本みどり)

2022年11月23日 17:23 by Matsui-Glocal
2022年11月23日 17:23 by Matsui-Glocal

みなさん、こんにちは。突然ですが、みなさんのおうちでは何か食べ物を育てていますか? 我が家は生ゴミを庭に埋めているのですが、そこから様々な種類の芽が生えてきます。なかでも雨季になるとバヤムという青菜がぐんぐん育ちます。今回は、そのバヤムのお話です。

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バヤム(bayam)は、日本ではヒユ菜、別名ジャワホウレンソウと呼ばれています。名前のとおり、ホウレンソウのようにクセも少なく食べやすい青菜です。ロンボク島では塩味ベースのあっさりとしたスープにして、汁ごとごはんにかけて食べます。

一度育てば、てっぺんの穂から種がパラパラと落ちるため、種をまかなくても勝手にどんどん生えてきます。近所の人たちも葉っぱを摘みにきますが、それでもバヤムの伸びるほうが早く、我が家の小さな庭はあっというまにバヤム・ジャングルになります。

緑でいっぱいの庭は目に鮮やかで心も癒やしてくれます。だけど、これはさすがに増え過ぎじゃない?

バヤムが生い茂る我が家の庭

私はワサワサと茂っているバヤムを間引くことにしました。しかし、よくよく観察するとテントウムシやバッタ・カメムシなどいろいろな昆虫の住まいになっていて、小さな世界を形成しているようです。

これを間引くのは人間のエゴかな・・・。少しばかり気が引けたため、2~3株だけ間引いて、手を止めました。

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そのまま市場へ行くと、いつもの八百屋さんに「今日は汁物用の野菜は買わないの?」と聞かれました。

「それがねぇ、バヤムが庭にいっぱいあるから、しばらくバヤムスープなのよ」

「バヤム? そんなにいっぱいあるの?」

「ありすぎて困ってるわ」

「じゃあ、うちで売らない?」

え、売る? 朝葉っぱを摘んで、レジ袋にいれて持っていけばいいそうな。

へぇ~、自宅の野菜や果物も八百屋へもっていけば売ることができるんだ、わ~い。

「一応、夫に聞いてみるわね。たぶん大丈夫だと思うけど」

ウキウキ気分で夫に聞いたら、なんと反対されました。

なんで?こんなにいっぱいあるのに?

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(⇒夫の言い分はこうです・・・)

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