よりどりインドネシア

2022年10月08日号 vol.127

ロンボクだより(77):義援金が集まったのに・・・(岡本みどり)

2022年10月08日 12:38 by Matsui-Glocal
2022年10月08日 12:38 by Matsui-Glocal

(編集者注)本稿は、2022年9月8日発行の『よりどりインドネシア』第125号に所収の「ロンボクだより(75)」の続きです。2018年に起きたロンボク地震の記憶をつづります。なお本稿は202211月発行の『よりどりインドネシア』第129号に続く予定です。

村のみんなのおかげで、避難地の生活はエネルギッシュで徐々に精神的にも落ち着いてきました。が、私には、オンラインで集めていた義援金をどうするかという心配事がありました。今回は義援金にまつわる話です。

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ロンボク地震の前震で被災した人々のために、日本のアプリを使って義援金を募り始めたのは、8月4日のことでした。その翌日、私たちは本震に被災し、村ごと崩れました(ロンボクだより(46)参照)。

義援金の状況を確認する余裕もないまま、怒涛の避難所生活を送っていたところ、寄付用のアプリから「(お金が募集金額の)上限に達しました」とメッセージが届き、同時に、友人・知人からも「義援金を送ろうと思ったけどできなかった」と連絡がありました。急いで再度・再々度募集ページを作り、3回で合計80万円ほども集まりました。義援金を送ってくださった皆様にはいまだに感謝の念が絶えません。

私は予想しないほどたくさん集まった義援金を前に、いろいろなことを考えなければなりませんでした。 

1)どこに(誰のために)配る/使うか

2)なんのために使うのか

3)どうやって現金を引き出し、管理するのか

当初の予定と現状が大幅に異なるので、1)と2)から考え直すことが大事なのは間違いありません。ですが、そもそもお金が手元に届くのかどうかもわかりませんでした。

実際、義援金を手にするまでにあちらこちらに関所がありました。

まず1つ。寄付用アプリからの引き出しに必要な本人確認が用意できない問題。

本人確認にはいくつかの選択肢がありました。そのなかで私の手元にあるのは運転免許証のみです。でも、免許証は日本で使う財布の中にいれて、家の棚の引き出しにありました。

「えええ、家に入るの??」

まだそこそこ大きな余震がありましたし、家の中はガラスや食器の破片が散らばっていました。引き出しをゴソゴソやっている間に余震が来たらどうしよう・・・。でも、免許証を取りに行くしかない、やるか。靴を履いたまま家に入って、無事に免許証を手にしました。よし。

次は免許証を写真にとってアプリに送信。それなのに、何度やっても写真を撮ろうとするとアプリが落ちてしまうのです。

「なんでええ。海外にいるから??」

こんなにみんなが私の声を拡散して募金してくれたのに!

絶対にみなさんの想いを無駄にしないぞ。アプリの運営元に、事情を書いて問い合わせメールを送りました。すると、何度かのやりとりの後、「ご事情を鑑みて、今回に限りこちらのお問い合わせメールにて対応をさせていただきたく存じます」と返信が。やったーー!!!

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まだまだ関所は続きます。

日本の私の銀行口座からインドネシアへの送金問題。

大事なお金なので安全第一、手数料が痛いけれど、銀行からの海外送金を日本の母にお願いしました。母の助けのおかげでこちらもクリアです。

一山越えればまた一山。お次はお金の引き出し問題。

私たちの最寄りの銀行支店は地震で半壊でしたし、営業できていたとしても、停電のため引き出しなどは一切できなくなっていました。

どこに通常営業している銀行があるんだろうか・・・。インドネシアまでお金を送ってもらったのに、これじゃあなぁぁ。

(⇒唯一義援金関連の相談をしていた夫と・・・)

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