よりどりインドネシア

2022年08月08日号 vol.123

ロンボクだより(73):ジョコウィ大統領がやってきた(岡本みどり)

2022年08月08日 19:36 by Matsui-Glocal
2022年08月08日 19:36 by Matsui-Glocal

(編集者注)本稿は、2022年7月9日発行の『よりどりインドネシア』第121号に所収の「ロンボクだより(71)」の続きです。2018年に起きたロンボク地震の記憶をつづります。なお本稿は2022年9月発行の『よりどりインドネシア』第125号に続く予定です。

はやいもので、ロンボク地震から丸4年が経ちました。私の住んでいるあたりは地震の際に倒壊し、その後新築・改築した建物が多いです。そういった意味では地震の名残はあるのですが、人々の意識の中では地震はすでに過去のものとなっているように感じます。

ロンボク島の人々がただひたすら前を向いてきたからではなく、コロナでロンボク島どころか世界中がひっくり返ったためでしょう。私自身も忘れてしまわないうちに、「ロンボクだより」にせっせと地震の記録を残していきたいと思います。今回はジョコウィ大統領の話です。

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2018年8月5日の本震のあと、8月13日にジョコウィ大統領がロンボク島を訪れました。8月18日からアジア競技大会が開催されるというのに、早い! 開会式のあとに少し落ち着いてから来られるのではと踏んでいましたが、大会前に来てくださるなんて。

ロンボク島で被災した人々を見舞ったあと、ジョコウィ大統領はアジア大会の開会式に出席。ハードスケジュールだよなぁと思いきや、またまたロンボク島を訪問するという噂が流れ始めました。家が全・半壊した人々に再建用補助金を渡すのだそう。しかも、私たちの村にも大統領が来るとか来ないとか・・・。ほんとかしら。

「みどり、ジョコウィ見に行こうよ。明日だって」

「どこ?」

「バンサルの交差点よ。モスクの跡地」

なるほど、倒壊したモスクの跡地か。そこならすでに平らに均されており、十分な広さがあるように思えました。大統領が来なかったとしても、気晴らしになるかな。

「うん、見に行こう」

私たちは誰かのコンサートにでも行くかのようにワクワクしていました。別にジョコウィ・ファンでもなんでもありません。でも娯楽どころか日常生活もままならない状態で数週間やってきたのだから、こんな楽しみがあってもいいですよね!

でも私は一つ気がかりがありました。明日はアジアンゲームの閉会式だけど・・・。ジョコウィさん、閉会式に出席しないのかしら? うーん、わからないな。でも楽しみにしているみんなに水を差すようなことは言わないでおこう。

9月2日、いよいよ補助金配布の日です。ジョコウィさんは来るのかしら。私たちは朝からソワソワ。子どもたちも「みどりおばちゃん、見に行こうね!」と何度も言い寄って来ました。アジア大会との兼ね合いについては、ロンボク島の被災地から映像を中継して参加すると聞きました。ステージを作っているそうな。ほんとかなぁ。

ま、とにかく行ってみよう!ということで、朝、イブイブや子どもたちといざ出陣。

うわっ、すでに大通りにはけっこうな人が集まっています。すごいな、こりゃほんとにジョコウィさんが来るっぽいぞ。一緒にいたイブイブや子どもたちがそれぞれ見たい場所へ散らばり始め、私は娘と二人で会場の前まで行きました。

会場はモスクの跡地ではなく、その向かいの家具屋の跡地にできあがっていました。壁はありませんが、頑丈な屋台を組んで天井からは赤と白の幕が垂らされ、中には演台があり、パイプ椅子がズラリと並んでいました。

すでに何人かが座っていますが、今日は招待状のある人しか中に入れないのだそう。たまたまこれから中に入るという村長から、今日は各地の村長が招待されており、現金のやりとりではなく補助金配布のセレモニー的な催しなのだ、と教えてもらいました。

ジョコウィ大統領が来るのを待つ村の人々

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(⇒人がどんどん増えて・・・)

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