コロナがいったん収束し始めた3月頃から、とくに国内移動の要件であった抗原検査が免除されて以降、地方出張が堰を切ったように増え始め、7月までにジャカルタ以外ではマナド、パダン、ポンティアナク、マカッサル、バリなどを飛び回る生活(=ドタバタ)が始まりました。幸い、大きなドタバタは今のところ発生しておりませんが、ちょっと気がついたこと、考えたことをお話ししようと思います。
何とも謎めいたタイトルになってしまいましたが、日常生活だけではなく、旅先でいつもお世話になっている、全国展開のコンビニ大手であるインドマレット(Indomaret)とアルファマート(Alfamart)のお話です。
大都市に行くと両コンビニが隣り合って存在しているという何とも奇妙な光景を目にすることがあり、もはや生活の一部に入り込んでおり、ATMはおろか、電気料金も支払えるし、最近ではお店によってはお弁当もおにぎりも果物も取り揃えているので、大変助かっております。
かつてはセブン・イレブンまでお隣さんだったことも・・・。(出典:https://www.bareksa.com/berita/berita-ekonomi-terkini/2018-03-07/adu-kuat-alfamart-dan-indomaret-kinerja-siapa-lebih-unggul )
上記はインドネシアの大手小売店舗数のデータです。2年前のデータではありますが(なぜかアメリカ農務省のデータがヒットしました・・・)、相当数出店していることが分かると思います。
ご存じの方がいらっしゃると思いますが、このおなじみのコンビニは「全国展開」ではなく厳密には「全国展開まであと一歩」というのが正しいところです。それは西スマトラ州には両コンビニが進出していないからです。
私自身も話には聞いていましたが、改めて当地に行ってみて「ああ、やっぱりないんだ」ということを目視で確認し、さらに「なぜないのか?」と思ったので、州政府の人や現地の人に聞き、ネット上でも調べてみました。
結論としては「地元の中小零細企業を守るため、西スマトラ州は大手コンビニの出店許可そのものを出していない」という、若干予想通りの理由でした。
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たしかに、コンビニや大手スーパーの進出で大きな問題として取り上げられたのは、「地元の中小零細企業のビジネスチャンスを失わせる」ということでした。コンビニや大手スーパーの本社もこの批判に対応すべく、店舗の入口近くに地元の中小零細企業がスナックやジュースなどを販売するスペースを設置したり、店内に地元企業の産品コーナーを設けたりしています。
それでもやはり大手の進出は地方にとってマイナスであるという要素が強い場合は、西スマトラ州のように進出全面禁止としたのだと思います。利便性を重んじる私のようなおばちゃん消費者の視点からすると、進出により雇用者も増えるので決して悪いことばかりではないと思いますが、それは地方の事情なのでしょう。
なので、タイトルのように「西スマトラにはない」のです。白黒はっきりした政策で、何とも西スマトラらしいな、と思いました。
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次の謎解き、「ないけどある」のジョグジャカルタ特別州クロンプロゴ県とは、どういうことでしょうか?
出張のたびに、ジョグジャカルタ市内から1時間半かけて、コロナ禍の2020年5月から本格稼働したジョグジャカルタ新国際空港へ行くのですが、その道中で、途中まであったインドマレットが空港近くになると見当たらなくなる、という現象に気がつきました。
(⇒ その代わり・・・ )
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