よりどりインドネシア

2022年07月09日号 vol.121

BOP層コミュニティを歩く(2):スラバヤでの家庭訪問(その1)(松井和久)

2022年07月09日 22:58 by Matsui-Glocal
2022年07月09日 22:58 by Matsui-Glocal

以下は、2013年9月に書いた文章です。この頃、いわゆるBOPビジネス支援という業務の関係で、ジャカルタやスラバヤの低所得層(以下、BOP層と記述)のご家庭を訪問することがよくありました。ちなみにBOPとはBottom of Pyramidの略で、BOPビジネスとは、途上国の低所得者層を対象とし、現地の貧困における諸問題の改善と利益確保の両立を目指す事業活動を指します。

もう10年近く前の話ですが、今、読み返しても、興味深い話が見受けられます。折に触れて、そのいくつかを加筆修正のうえ、再掲していきます。

**********

家庭訪問(2013年8月31日)

東ジャワ州スラバヤ市グヌンサリ地区のRさん(女性・65歳)宅

Rさんは以前、家の近くでワルン(小さな商店や食堂)をやっていたが、その場所が売られてしまい、できなくなった。夫は17年前に他界。亡き夫は、水を売ったり、井戸を掘ったりするのが仕事だった。

●家族構成

子どもは6人だが、4人は結婚してスラバヤを離れている。残った2人の子ども(男・女)と、彼らの子ども(孫)2人(男・女)の計5人で生活している。2人の子どものうち末っ子は18歳。孫は小学生。

●日雇の子どもに頼る世帯支出入

日々の生活は子どもの収入に頼っている。子どもは建設・工事現場で働いたり、米を売ったりする日雇い仕事で、1日当たり5~10万ルピア(当時のレートで約500~1,000円、以下同じ)の稼ぎが不定期にある。彼女自身も、人に頼まれて洗濯やアイロンがけをするが、その収入もわずかである。

スラバヤを離れた子供から定期的な仕送りはなく、断食明け大祭(レバラン)で彼らが帰省したときにお金をもらう程度である。

光熱費については、電気代が毎月6万ルピア(約600円)、水道代が毎月7~8万ルピア(約700~800円)かかる。

●狭い住居

家は、近所に住む学校の先生から譲り受けたもので、15年以上経っている。壁は板張りで、極めて質素な造りである。

部屋は寝室、リビング+台所、浴室兼洗濯室の3部屋で、全部で15~20平方メートル程度の狭い家である。

リビング+台所

リビングのテレビ

寝室

靴箱

●水を中心とする生活リズム

家の一大事は水である。水道が引かれていないので、隣の家の井戸からホースで水を引っ張っている。これが午前2~4時の2時間しか機能しない。

このため、彼女は水の番をするため、夜中に起きていなければならない。水は、ポリタンク(ミネラルウォーターのガロン瓶を含む)4つと水桶1つに溜める。

これを終えると、洗濯や料理をして、食事が終わった後、昼から夕方まで就寝。時には寝ないこともある。

台所で調理用に使う水。ミネラルウォーターのガロン容器に溜めている。

浴室兼洗濯室。青い桶やバケツに水を溜め、洗濯や沐浴に使う。

洗濯物

(以下に続く)

  • 質素な食事・調理
  • 所感

 

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