よりどりインドネシア

2021年08月23日号 vol.100

ロンボクだより(51):友がいれば大丈夫(岡本みどり)

2021年09月01日 00:04 by Matsui-Glocal

みなさん、こんにちは。よりどりインドネシア第100号おめでとうございます!

何か100号にふさわしいことを書きたいなぁといろいろ考えた結果、今回は私がロンボク島で暮らすようになってから、もっとも強く何度も感銘をうけている「自然な助け合い」について書きたいと思います。

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先日、夫の幼馴染のAさんがフットサルの練習中に足を傷めました。痛くて歩けないそうです。Aさんは夫に、マッサージのおじさんのところへバイクで連れて行ってほしいと頼みました。夫は二つ返事で承諾。

ちょうど私も夫のそばにいたので一緒にビデオコールで話したのですが、Aさんは「イタタタ、参ったなぁ」と言いながらも笑顔でした。深刻なお願いではなく「ちょっとそこの本とって」「うん」くらいの気軽なAさんと夫。私は彼らのやりとりをいいなぁと見つめました。こんなに気軽に物事を頼める人が家族以外にいるなんて!

私は熊谷晋一郎医師の「自立とは依存先を増やすこと」という言葉を思い出しました。一人で頑張りなんでもできることではなく、依存できる先を増やすことで生きていける、自立できるという考えです。ロンボク島の人たちは依存先がたくさんあります。つまり、自立しています。

じゃあ私は? 一体どれだけの人に申し訳なさを感じることなく何かを依頼できるでしょうか。今のところ、夫一人かなぁ・・・。いや、夫にすら「ごめんね、迷惑かけて」などと考えそうです。では、どうすれば気軽に、いい意味で依存できる友だちを増やせるのでしょう。

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私は友だち ― インドネシア語でteman ― という単語について考えました。いくつか頭に浮かぶエピソードがあります。

私が妊娠しているときのこと。私たち夫婦は当時、まだ新居が完成しておらず、義姉夫婦の家に居候していました。ある日、夫が仕事で一晩家をあけることになりました。毎日シングルベッドにおなかの大きな私と夫で並んで寝ていたので、私は「今日は大の字になって眠れる」と思いました。

ところが、義母が「一人だと心細いだろう?姪をお供させようか?」と勧めてきたのです。この「お供する」はインドネシア語でteman に-iをつけてtemaniと言います。私は、いやいやいや、いいです、いいです、teman(お供)はいりません、私はゆったり寝たいんです!と言いたい気持ちを抑え(笑)、「義姉さんがいるから心細くないですよ」と丁寧に断りました。

出産の日、親戚がごろごろ分娩室に集まりとてもにぎやかでした。私は夜22時前に娘を産み、産院で一晩休むことになりました。親戚たちが帰るなか、夫と夫の幼馴染が3人、産院の受付の椅子で夜を明かしました。彼らは私のためではなく、初めての子で勝手がわからないであろう夫のためにtemaniしてくれたのです。「だって、僕ら小学校にあがる前からteman(友だち)なんだよ」だなんて、さも当然のこととしてやるんだから、全くすごいなぁ。

幼馴染の友だちと夫

 

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