よりどりインドネシア読者のみなさん、こんにちは。いかがお過ごしですか。
断食明け大祭が終わると、結婚式がどっと増えます。私の村や近辺の村々でも結婚ラッシュ。今日はそんな結婚前の一コマからお金にまつわる話をつづっていきます。
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「に、にせんまんルピアぁぁぁ!?」
隣家のAさんと話していた私は、素っ頓狂な声をあげました。
私たちの集落の青年Ⅾが結納金として2000万ルピア(約15.3万円)を新婦側の家族から要求されたと聞いたからです。
私たちの村では、結納金の相場は100~500万ルピア。一番多いのは200か300万ルピアでしょうか。それが2000万ルピアとは十倍です。
一体全体、Ⅾはどんな女性と結婚するのよ?と私はAさんに尋ねました。
結婚式の準備中
ロンボク島では、女性が公務員など手堅い職についていたり、今後の活躍が見込めそうな高学歴だったり、社会的な地位が高かったりすると結納金の金額が上がります。結婚すると女性が男性側の家へ嫁ぎ、女性側の家庭にとっては損失が大きくなるからです。
また、日本では結納金は新婦の結婚支度金として渡されることが多いですが、私たちの村では結婚式の費用をもつのは(ほぼ)新郎側です。よって、結納金は新婦の結婚準備ではなく新婦の家族の生活に使われることが多いです。結婚前に男性の家族から女性の家族へお金を贈るという風習は同じでも、日本の結納金とは趣旨が少し異なりますね。
ちなみに、同じロンボク島北部でも王族文化の名残のあるバヤン地方では、お金ではなく水牛を贈ります。水牛なんて贈られても困る、と思われるかもしれませんが、豊かな棚田の広がるバヤン地方では水牛は農耕の良き働き手となります。南部をはじめその他の地域でも、婚約時にお金以外の何かを贈る文化を有しているかもしれません。
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