引き続き、前震について書きます。
2018年7月29日の地震から三晩明けた8月1日。
当時の私のTwitter での投稿によると、「昨晩から家の中で寝た」「昨日あたりから人が寄付金集めに募金箱を持って来るようになり、幹線道路もバンバン大型車が通るようになった。水、食べ物、古着、建築材などの救援物資を運んでいるという。 我が家のあたりも各村から村長と村役場の職員が一緒に支援金と飲み水を持って行くらしい」とあります。
日にちまでは覚えていませんでしたが、このあたりのことはよく覚えています。なぜなら葛藤していた時期だから。
幹線道路をいく荷物でいっぱいの軽トラを見ながら、または知人たちが支援物資を被災地へもっていく準備をしていると話すのを聞きながら、「(私も何かしたいと思いながら)なんで私は何もしないんだろう、同じ島で被害にあった人たちがたくさんいるのに」と自分を情けなく思っていました。
一方で「とはいっても、我が家は義母も小さな娘もいるから無理なのよー」と誰にも何も言われていないのに言い訳もしていました。今振り返ると、「私も何か支援したい。でもどうしたらいいのかわからない、できない、無理!」「私がいっても迷惑をかけるだけなんじゃないか、役に立たないんじゃないか」と脳内で無限に繰り返していた数日間でした。
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そんななか、8月4日にいつものように市場へ行きました。買い物の途中、外のほうから何やらにぎやかな音楽が聞こえてきました。市場の外に出ると、何人かが音楽を奏で、歌を歌いながら被災地への寄付活動を行っているのだとわかりました。
私はすぐにでも寄付をしたかったのですが、買い物をしたあとで手持ちのお金がほとんどなかったため、一旦家に帰りました。
財布を握って再び寄付活動の現場へ。
市場前にあるコンビニエンスストア風の日用雑貨店の駐車場を使って、キーボードやギターなどを片手に何人かが演奏し、女性が歌っていました。ノリノリのダンス・ミュージックです。こんな元気いっぱいの楽しい曲を寄付金集めのときに使うのかと驚きました。市場周りにいる人々の気をひくには十分のパンチ力です。こうしてみんなの注目を集めておいて、一曲歌ったところで写真の男性が「みなさーん、寄付をお願いしまーす」と呼びかけ、歌手やギターの人たちがダンボール片手に歩いて支援金を募ります。これの繰り返しでした。
男性の大きな声が響きます。「(寄付をする金額は)1,000ルピアや2,000ルピアでもいいんです。恥ずかしがらずにどうか寄付をお願いします。みなさんの1,000ルピア2,000ルピアが積もり積もって大きな支援になります」
私は、この男性の訴えは素晴らしいなと思いました。1,000ルピアや2,000ルピアでもいいというのは、日本で100円や200円でいいですよと言われるようなものです。何かしら良心がありながらも「こんな金額じゃ(恥ずかしいし、お役に立たないわよ)ね・・・」と寄付を躊躇していた人々に響き、行動を促す言葉になったはず。
道行く車の窓から、バイクから、人々が手を伸ばして寄付していくのが見えました。なかには一度寄付活動の前をバイクで通り越してから、ペットボトルの飲料水を箱買いして運んできた人もいました。
下の写真は上の写真から40分が経った頃です。支援を訴える男性の足元のダンボールが増えているのがわかりますか?
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