よりどりインドネシア

2021年05月07日号 vol.93

ラサ・サヤン(17):コロナ禍で起きている現象(その2)~ペットを飼う人が増えている~(石川礼子)

2021年05月07日 22:38 by Matsui-Glocal

ジャカルタ首都特別州知事は、2月9日から実施している小規模単位での社会活動制限を4月30日現在も続けています。

小規模単位社会制限措置では、基盤分野(エネルギー、情報通信、金融、物流、ホテル、産業、基礎的サービス・公共インフラ・国家の重要施設、生活必需品)以外の分野でのオフィス活動は、出勤が50%までに規定されています。

ということは、ほとんどの企業では、従業員の半分までしかオフィスに出勤できず、残りの半分は在宅勤務となっています。そのため、社員を幾つかのグループに分けて、週2~3日ずつ交替で出勤させているようです。企業では、在宅勤務で生じる勤務体系の違いで様々な対応に追われています。新たに在宅勤務用の会社規則を決める必要に迫られる企業も少なくなく、在宅勤務の社員を含むオンライン朝礼の習慣化や、在宅勤務での残業や有給、病欠、生理休暇の扱いや、退職や解雇など、コロナ禍前より慎重に扱う必要が出てきています。

一方、在宅勤務の社員もそれなりにストレスを感じており、子供がいる家庭では、学校に行けず、退屈する子供たちに仕事の邪魔をされたり、独身者や単身者の在宅勤務では、行き場のない孤独感に悩まされたりする人たちも少なからずいるようです。

そんななか、他諸国同様、インドネシアでもペットを飼う人が増えているという情報を得ました。

●ペットを飼う人が増えている

2020年11月20日付のSINDONEWS.comに『パンデミックに強い商売、ペットショップにチャンス到来』というタイトルの記事がありました。

インドネシアで最大のペットショップ・チェーン店“Petshop Indonesia”の創設者であるRizkitha Aswinda Putri氏は、このコロナ禍で新たに4店舗を増やし、ジャカルタ特別州郊外のデポック、タンゲラン、ボゴール、ブカシで全11店舗を経営しています。同氏によると、インドネシアで人気のあるペットは、猫、犬、爬虫類、ハムスター、うさぎ、鳥類、そして魚だそうです。同氏は、ペット用の動物やペット用品を販売するだけではなく、ペットホテル、動物クリニック、ドッグ・スクール、ペット・シッター、ペット・サロン(トリミング)も経営しており、フランチャイズ形式で、今後も店舗を増やしていく方針だと話しました。

Petshopインドネシアは、オンライン、オフライン両方のサービスを展開

セレブを登用したペット雑誌“GROOVY”も人気

●キャッツ・フェスティバル

2021年4月10日に、ブカシ県の南チカランで「キャッツ・フェスティバル」が開催されました。BERITACIKARANG.COMによると、チカラン地区に住む60名近くの猫愛好家たちが自慢のペットを持ち寄って参加したそうです。このフェスティバルでは、猫の健康診断や、無料で狂犬病のワクチン接種が受けられる企画がありました。健康診断の結果をもとに、最も健康な猫や、最も美しい猫を選ぶコンテスト、さらには、すばしっこさや、毛並みの美しさなどを競い合うイベントもありました。

インタビューを受けたPanduさん(32歳)は、パンデミック以降、「ピッグノーズ」という種類の猫を飼い始めた、と答えています。Wahyuniさん(44歳)も、家でオンライン授業を受ける子ども3人と一緒に猫の世話をしている、と答えました。Thiusma Petshop & Clinicのオーナーで獣医でもあるMuhamad Ikbal医師は、「猫は、最も安全で飼い易く、フレンドリー、ストレスを抱える人も癒される、インドネシアで最も愛されるペットだ」と話しました。

たしかに、イスラム教徒にとって、犬は「不浄の動物」であるため、人口の87%以上がイスラム教徒であるインドネシアにおいて猫が一番人気なのも納得です。

キャッツフェスティバルに集まった猫愛好家たち

WFHの友としてのペット

上述の動物は、日本でも珍しくない種類のものですが、Kompasiana.comでは、『トレンド2021:WFH(Work From Homeの略語、在宅勤務)の友となるペット、飼育が簡単な13の生き物』と題して13種類の生き物を推奨していますが、そのなかに珍しいペットがいくつかありましたので、ご紹介します。

(1) 熱帯魚グッピー

フィルター付きの水槽で飼い、週一で水槽を手入れします。

(2) 熱帯魚ベタ

ベタは忙しい人にピッタリで、フィルター要らず、ヒーター要らず、水槽だけで飼えます。私(筆者)も飼ったことがありますが、2匹一緒に入れると、オス通しが殺し合うので、1匹で飼うように言われました。優雅なルックスとは裏腹に、かなり攻撃性のある魚です。

(3) ミニハリネズミ

一般のハリネズミと違って、背中の針が痛くなく、愛らしい顔をしています。清潔好きなので、ケージや小屋は常にきれいにしておくことが大事です。それから、ミニハリネズミは「かくれんぼ」が好きなので、隠れられるものを置く必要があるのだとか。

このミニハリネズミの愛好会がジャカルタをはじめ地方にもあるらしく、コロナ前は、若い男の子たち(なぜか、インドネシアはペット愛好家に男の子が多い)が自分のペットのミニハリネズミを持ち寄って見せ合ったり、一緒に遊ばせていたりしたようです。

東ジャワ州マラン市のミニハリネズミの愛好家コミュニティ(コロナ禍以前の写真)

(4) フクロモモンガ

名前に「フクロ」が付いているのは、有袋類であり、コアラやカンガルーと同じ仲間の生き物だからです。英語の名前は“Sugar Glider”というだけあって飛び跳ねるのが大好き。雑食性なので、何でも食べるそうですが、好物は昆虫だとか。

日本でも人気急上昇らしいですが、値段が3~9万円と非常に高価です。インドネシアではどうかと、何でも売っているTokopedia(オンライン・マーケットプレイス)で調べてみたところ、85万ルピア(約6,400円)から240万(約18,000円)くらいでした。

(5) チンチラ

生息地は南アメリカですが、今や日本、インドネシアでも人気のペットです。ネズミ系の動物で体長は約25cm、体重はおよそ420~600g、体表は銀灰色の毛で包まれています。耳が大きく、人に良くなつくそうです。日本での値段は3~20万円、インドネシアでは900万ルピア(約68,000円)程度でした。

(以下に続く)

  • WFHの友としてのペット(続き(6)~(10))
  • ペットに関わる珍商売
  • 我が家のペット
  • コロナ禍で翻弄されるペットたち
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