今年も断食月がやってきました。
日本で年末年始に多くのお金が出入りするように、断食月から断食明け大祭にかけて大きくお金が動きます。人の流れも激しくなり、去年はさすがに人々の足が鈍った近所の市場も、今年の断食月は例年どおりの活況を見せています。
もう一つ盛んになるもの、それはおすそ分け。今日はおすそ分けに関して書いていきますね。
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断食月を迎えて三日目。私はふと向かいの家に一人で住むCさん(仮名)のことが気になりました。Cさんは60歳ほどで、今は一人暮らしです。子どもが二人いますが、それぞれ独立して少し遠いところに住んでいます。ロンボク島の田舎は大家族のイメージがありますが、この頃は一人暮らしの年配の方もちょこちょこ見かけます。
「Cさんは一人でブカプアサ(一日の断食を終えて食事をとること)をするのかな」。夫に尋ねると、そうだろうね、と返事がありました。
「ねえ、だったらCさんをごはんに誘わない?毎日一人でブカプアサなんて寂しいよ」
私の意見に、夫は、そんなことしなくていい、と答えました。
私はわかった、と自分の意見を取り下げながら、夫を冷たいなぁと思いました。しかし、夫の真意は理解できました。
実は我が家の向かいの敷地には3軒のお宅があり、Cさん以外の2軒の家族は、土地関連の揉め事でCさんを嫌っていました。夫は、私たちがCさん以外の2軒の家族から、私たちがCさんと食事をする=Cさんの肩をもっていると誤解されることを恐れているのです。
うーん、でもなぁ。Cさんはどう感じているのかな?
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