インドネシアは「フルーツ天国」です。
一年中、市場は様々な果物で溢れています。四季がないインドネシアでも、果物のそれぞれには旬があり、食べ頃の時期が異なります。
日本では一般的に果物の値段が高価なこともあり、日常的に食べることはありませんが、インドネシアでは割と頻繁に食するといっても過言ではないと思います。
中間・高所得層だけでなく、低所得者層も、道端でフルーツやルジャックを売る屋台で気軽にフルーツを食べることができます。
「ルジャック」というのは、インドネシアのフルーツサラダとでもいうのでしょうか、完熟前のフルーツを削ぎ落としてミックスしたものに甘辛ソースをかけて食べるスナックです。使われるフルーツはマンゴー、パパイヤ、ブンコアン(葛芋)、グアバ、パイナップルなどで、ソースは唐辛子、タマリンド、ブラウンシュガー、塩です。
道端でフルーツを売る屋台(写真上)とルジャック(インドネシア風フルーツサラダ)
しかしながら、国際食糧農業機関のデータ(2011年データ)によると、インドネシアでの一人一日当たりのフルーツ消費量は約181 gで、欧米諸国(欧州の平均249 g)や中国、韓国より少なく、日本は140 gで、インド(141 g)の次に低いことが分かります。世界の平均が203 gですから、インドネシアも日本も平均以下となります。
●肉離れになって
昨年10月のある朝、部屋の掃除をしていて、前屈みになった際に肉離れを起こしてしまいました。ふくらはぎの筋から「プチッ」と聞こえるくらいの音がして、その後、右足の膝から下がこむら返りしたような感覚になりました。パニックになると同時に、大きな病気や怪我をしたことのない私は、生まれて初めてまともに歩けなくなった事態に涙が出てきました。
早速、ネットで調べたところ、「肉離れとは筋膜や筋繊維が損傷・断裂した状態をいい、原因は筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップ不足、水分摂取不足などによって起こる」ということでした。私の場合、コロナ禍以降、自宅で翻訳の仕事をしているので、運動不足と、(認めたくはないのですが)加齢が原因ではないかと思います。
回復にどれくらいの時間を有するのか調べてみると、一般的に3〜5週間かかると書かれており、知り合いからは、彼の奥さんが回復に3ヵ月かかったという話を聞きました。これは長丁場になるぞ、と腹を括り、義母の使っていない杖を借りて、生活を始めました。階段の上り下りやシャワーを浴びるのも一苦労で、これが最悪1ヵ月以上も続くのかと考えると、かなり憂鬱になりました。
その頃、ジャックフルーツ(インドネシア語ではナンカ:Nangkaと言います)が旬の時期で、ジャックフルーツが大好きな私は毎日欠かさず、かなりの量を食べていました。ジャックフルーツの実の甘酸っぱさと、肉厚のモチモチ感がなんとも言えず美味しいのです。
そうして過ごすうちに、完治まで1ヵ月以上を要すると覚悟していた肉離れが、わずか1週間でかなり回復し、ゆっくり走れるようにまでなりました。それほど筋力があるとは思えない私が何故、こんなに早く回復したのか、とても不思議でした。
知り合いに話すと、冗談で「毎日、ジャックフルーツを食べているから、ジャックフルーツの効能じゃないの?」と言われ、その時は冗談と受け止めていたのですが、翌日、ジャックフルーツを食べている時に、知り合いの言葉を思い出し、「もしかしたら、本当にそうかも」と、ネット検索してみると・・・。
「ジャックフルーツにはミネラルが含まれていますが、なかでもとくに多いのがカリウムです。ジャックフルーツに含まれるカリウム量は、バナナよりも豊富です。同じ100 gで比較すると、「バナナ360 mg」、「ジャックフルーツ448 mg」と、バナナの1.2倍ほどになります。カリウムは、体の余分な水分の排出を促すために重要な栄養です。利尿作用によって水分の代謝に働き、むくみの解消に効果的です。また、過剰な塩分の排出を行う効能もあり、高血圧の予防に有効です。また、体の電気信号を発生させたり、情報伝達作用を円滑にし、筋肉の収縮を上手く機能させたりすることで脱力感などの症状も防ぐ効能もあります。(出所:良好倶楽部/あなたの身体を良好に:https://ryoko-club.com/food/jack-fruit-nutrition.html)」と書いてありました。
ジャックフルーツに、こんな効能があったとは?! 目から鱗が落ちました!
肉離れの治りが早かったのは、ジャックフルーツのお陰だけではないかもしれませんが、それをきっかけに、今まで何気なく、好き嫌いだけで食べていたフルーツの効能を知りたくなり、インドネシア特有の、いわゆるトロピカルフルーツについて、その効能を調べてみました。
月/フルーツ名 |
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ドリアン |
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マンゴスチン |
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ランブータン |
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サウォ |
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サラック |
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ドゥク |
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スターフルーツ |
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マンゴー |
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グアバ |
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サワーソップ |
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ジャックフルーツ |
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パパイヤ |
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⭐️旬真っ盛り ☆旬だが、量は少ない
上記表の12のフルーツについて、今回と次回の2回にわたり、その効能、と同時に食する際の注意点について皆さんに共有したいと思います。
●ドリアン(Durian)
「果物の王様」と言われるドリアンは、その大きさと形からも正に「王様」の風格です。標準的なドリアンは、長さ30 cm、直径15 cm、重さ1~3 kg、特徴ある匂いと棘のある外果皮がいかつい感じで、簡単には試し難いフルーツの一つかもしれません。果肉の色は淡黄色からオレンジ、赤色と多種多様です。
インドネシアだけでも300という種類のドリアンがあるそうですが、食べられるものはそのうち、わずかな種類です。なかでも、モントン・ドリアンが最も有名です。モントン・ドリアンはタイが開発地ではありますが、その親はドリアン・スクーンという中部ジャワのカランガニャル地区からきているそうです。
効能:
- マグネシウムやリン、銅など体の機能を維持するために欠かせないミネラル分が豊富です。
- 血液を作り、貧血予防に役立つ葉酸や、代謝を促進し、血行を良くして冷え性を和らげるナイアシンも他の果物と比較して多く含まれています。
- また、エネルギー変換に必要なビタミンB1は、果物の中でトップクラス。細胞の再生を促進するビタミンB2もアボガドとほぼ同じくらい含まれています。
- 高血圧予防に効果があるカリウムがアボガドに次いで多く含まれています。
注意点:ドリアンは高カロリーのため、既に病気を患っている人は医師に相談する必要があります。また、ドリアンを食べた後に、アルコールを摂取すると、お腹の中で発酵して死に至ることもあるので、ドリアンと一緒にお酒を飲むのは絶対にやめましょう。
(以下に続く)
- マンゴスチン(Manggis)
- ランブータン(Rambutan)
- サウォ(Sawo)
- サラック(Salak)
- ドゥク(Duku)
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