よりどりインドネシア

2020年11月07日号 vol.81

ラサ・サヤン(11)~インドネシアのネットショッピング事情~(石川礼子)

2020年11月07日 20:38 by Matsui-Glocal

ジャカルタは、3月2日にインドネシア初の新型コロナウィルス感染が発生した後、瞬く間にパンデミックとなり、3月末日には陽性患者数が608人まで増え、4月10日に最初のPSBB(大規模な社会制限)が施行されました。

●ジャカルタのPSBB

PSBBでは、11の基盤分野を除き、原則、必要不可欠とされる活動以外の目的で外出しないこと、レストランは宅配あるいは持ち帰りのみの営業などの制限が敷かれました。それにも関わらず、4月末日には陽性患者数が4,138人になりました。その後、二回目のPSBBが翌4月24日から5月22日まで、そして三回目のPSBBが5月24日から6月4日まで施行されました。

それで終わるかと思っていたら、PSBBの移行期間と称した、緩やかなPSBBが6月5日から施行されました。PSBB下で制限されていた一部の活動が再開可能となり、それまで閉鎖されていたショッピングモールも6月15日から再開されました。そのPSBBの移行期間は9月10日までの間に何度かの延長を繰り返しましたが、8月末日時点の現感染者数は7,720人で、状況を重く見たジャカルタ首都特別州政府は9月14日から移行期間ではない、元のPSBBに戻す形で再び社会制限を強化しました。

PSBB施行は9月27日までとされていましたが、さらに二週間延長され、10月11日までとなりました。9月末日の現感染者数は12,317人でしたが、経済へのこれ以上の悪影響を考慮してか、ジャカルタ首都特別州政府はPSBBを緩和し、 PSBB移行期間が10月12日から今日現在(10月26日)まで続いています。そして、先日、10月21日には、一部の映画館が収容数最大25%という制限の中、営業を再開しました。ジャカルタ首都特別州政府は、今後、陽性件数が大幅に増加しなければ、PSBB移行期間を11月8日まで延長するとしています。

ショッピングモールは6月15日から開いていますが、以前のようにモールへ冷やかし程度に寄ったり、コロナ前の週末の楽しみだった映画館へ気軽に行ったりすることも憚れ、私たち家族は出掛けると言えば、近くのスーパーへ生活に必要な消耗品等を買いに行くか、日曜日に車でジャカルタ郊外へ行き(ジャカルタがPSBBの時も、隣の州だとレストラン・カフェは店内で飲食可能でした)、保健プロトコルが遵守されるなか、ササっと食事して帰宅するという感じです。

話は逸れますが、コロナ禍で良かったこともあります。それは、社会全体が衛生に気を遣うようになったことです。「まめに手を洗う」、「マスクを着用する」、「消毒する」、「ソーシャルディスタンス」というコロナ予防の原則を守ることで、自然と清潔にならざるを得ません。勿論、インドネシアは不潔な所ばかりではありませんが、今まで清潔さに欠けていた部分の水準が上がりました。それを顕著に感じるのはレストランです。

●コロナ禍でのレストラン

皆さんは、パダン料理ってご存知でしょうか?

テーブルに着くと、注文もしていないのに、次々とお皿が目の前に置かれるという料理です。西スマトラ州最大の街パダン周辺の名物料理で、インドネシア国内では勿論、マレーシアやシンガポールでも「ナシ・パダン」として人気があります。私も大好きな料理です。

ご飯と12種類以上のおかずが載ったお皿が並べられ、客は自分が食べたい皿にだけ手を付け、食べた分だけを払うというシステムです。料理はココナッツミルクを使ったカレー系のものが多いのですが、焼き魚やフライドチキンもあります。汁類は除き、例えば3個のフライドチキンが載っていて、そのうちの1個だけを食べた場合は、1個の値段を払えば済みます。

ですから、パダン料理は大勢の人数で、沢山の料理を箸で突き合いながら(この場合、スプーンですが)食べるのが理想的です。パダン料理に付きものなのがフィンガーボウル、パダン料理は手で食べる人も多いため、必ずフィンガーボウルが出てきて、手の汚れを落とします。

コロナ禍になり、上記事情からパダン料理は避けていましたが、最近、ジャカルタ郊外にあるお気に入りのパダン料理店に行ったところ、嬉しい発見をしました。

パダン料理店の店先(出所:lifepal.co.id)

テーブルに並べられた料理(出所:wowkren.com)

パダン料理は大勢で食べるのが良い(出所:inews.id)

先ず、客は入店前に必ず手を洗うことが義務付けられていました。レストラン内はソーシャルディスタンスで、一つ一つのテーブル間に一定の距離があります。以前のようにゴチャゴチャしておらず、ゆったり食事ができます。一度に多くのお皿が並ぶのは変わりありませんが、お皿の一つ一つにサランラップが掛けられています。以前のように、店先に皿が積まれたまま放置されていません。そして、パダンの伝統衣装を着たウェイトレスが「サランラップを開けたものは全てチャージしますから気を付けてくださいね」と注文前に告げに来ます。

パダン料理の支払い方法は、店員が客のテーブルに来て、食べたものを目で確認しながら、その場で伝票に書き取りながら計算します。払うつもりの無い皿から、店員が見ても分からない程度に少しずつ失敬する輩もいる中、手を付けていないと判断された皿は、別の客に回されるので、不衛生なことも多々あります。しかし、サランラップが掛かっていると、そんな芸当も出来なくなりますので、パダン料理の不衛生さもコロナ禍が解決してくれることになりました。

客の帰ったテーブルは消毒液でしっかり拭かれます。以前のように、香料のきついガラス拭きスプレーでテーブルの隅を丸く拭くのではなく、かなり念入りに拭いていきます。給仕するウェイトレスやウェイターも、もれなくマスクやフェイスシールドを着用しています。ジョコウィ大統領がオムニバス法に対する抗議活動に対して説明したスピーチの冒頭にあったように、経済の悪化で失業者数はインドネシア全体で690万人に膨らんでいる中、以前のように当たり前に働くのではなく、従業員も皆、それなりの意識で働いているように見えますし、心なしかサービスも良くなっている気がします。

パダン料理以外のレストランも同様に、以前はテーブルに置かれたままの皿やスプーン類を、客が使用前に紙ナプキンで拭いてから使っていましたが、今ではそれらにもサランラップが掛けられていますし、店に依っては熱いお湯が入ったコップのなかにスプーンを入れたものを出すなど、かなり衛生度がアップしていて嬉しくなります。これもインドネシアの「ニューノーマル」なのでしょうか。ずっとこの先も続けてもらいたいものです。

●コロナ禍で見つけた楽しみ

さて、本題に戻りますが、最初のPSBBが施行された4月10日以降、私自身はほとんど外出することなく、自宅で翻訳等の仕事をしています。そんななか、スーパーへ行くのが唯一の楽しみでしたが、何ヵ月か前からスーパーへ行く以上の楽しみを見つけました。

それは「ネットショッピング」です!

日に一回はネットショッピングのサイトを開いて、「ネット・ウィンドウショッピング」を楽しんでいます。注文したものが頻繁に配送されてくると、主人や娘に「買い過ぎ!」と注意されますが、送料を入れても(送料無料有)スーパーで買うより安価な物も多く、そのうえ、このところずっと家に居る訳ですから、家で快適に過ごすための多少の買い物は精神衛生上、認めてほしいものです。

このネットショッピングは「オンライン・マーケットプレイス」や「Eコマース」とも呼称されますが、「インターネット上に存在する物の売り手と買い手が自由に参加できる取引市場であり、個人と企業の双方の参加での取引ができる(出所:Wikipedia)」プラットフォームです。Eコマースには「ショッピングモール型」と「マーケットプレイス型」の二種類があります。日本でいうと、楽天ショッピングやYahoo!ショッピングは「ショッピングモール型」で、自社も在庫を持つアマゾンは「マーケットプレイス型」です。

それでは、インドネシアにはどんなネットショップが存在するでしょうか?

下記は2020年第2四半期のインドネシアにおけるネットショップの「ベスト5」です。

月毎の閲覧者数、モバイルアプリのランク、ソーシャルメディアのフォロワー数、社員数の統計データ上位50社が出ていました。ということは、それ以上の数のネットショップがインドネシアに存在するということです。

統計の第1位がShopee、その後にTokopedia、Bukalapak、Lazada、Blibli、と続きます。

(出所)https://iprice.co.id/insights/mapofecommerce/en/

この上位5社には「ショッピングモール型」もあれば、「マーケットプレイス型」もあります。簡単に、上位2社を紹介します。

(以下に続く)

  • ShopeeとTokopedia
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