インドネシアにおける新型コロナウィルスの感染状況は、4月10日に感染者が全34州に広がり、以後、感染者数、死者数、治癒者の増加が続いています。
国家防災庁(BNPB)による新型コロナウィルスの現状報告(2020年4月23日時点)。右上の折れ線グラフが感染者数(青)、死者数(赤)、治癒者数(緑)の推移。下の3つのグラフは1日当りの新たな治癒者数、死者数、感染者数の推移。左端は、州別の感染者数、治癒者数、死者数の最新データ。(出所)https://experience.arcgis.com/experience/57237ebe9c5b4b1caa1b93e79c920338
インドネシア保健省の発表データ(毎日更新)によると、2020年4月23日西インドネシア時間午後4時時点で、感染者7,775人、死者647人、治癒者960人となっています。ちなみに、前号が発行された2週間前の4月8日の数字と比べると、感染者数が4,819人増、死者数が407人増、治癒者が738人増となっています。わずか2週間での変化に驚かされます。
感染の流れを見ると、感染者全体に占める首都ジャカルタの比率が4月8日の49.7%から4月23日には45.2%へ低下し、明らかに、首都ジャカルタから地方へ感染が拡散しています。また、それぞれの州の状況を細かく見ると、当初は州都での感染がほとんどだったのが州内の市へ、そして県へと拡散していく様子が見えます。
当初、感染者の多くは、海外からの帰国者や外国人など外来由来の感染者だったのですが、外来由来の感染者から感染する二次感染・域内感染が増えています。その大きなクラスターの一つが、3月に南スラウェシ州ゴワ県で行われたイスラム教徒の大集会参加者で、彼らは帰省先で感染源となったケースが各地で認められます。
(以下に続く)
- 二次感染・域内感染の起こった州、県・市
- 大規模社会的制限の実施
- ミクロレベルでの地域封鎖の横行(パプア州の事例など)
- PCR検査結果の判明前に亡くなった人が相当数
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