よりどりインドネシア

2020年04月08日号 vol.67

いんどねしあ風土記(13):「フンバ」の島と人々・見聞録 〜東ヌサトゥンガラ州スンバ島ワノカカ~(横山裕一)

2020年04月23日 00:11 by Matsui-Glocal

タンボラカ空港からワノカカまで車で1時間半。予想以上に整備された街道を行くと、水牛の群れに出会う。頭上は紺碧の空。「ここはスンバ島なんだ」と実感する。南国特有の自然と歴史、習俗の中生きるスンバの人々からの見聞録。

●「素朴、純粋な島」、フンバ

チャーターした車のドライバーは、意外にもフローレス島出身だった。14歳でスンバ島に渡り、スンバ島の女性と結婚。子供は5人。彼が笑いながら言う。「スンバ島の風習に従って、結納は馬や水牛30頭。いまだに実家に借金したままだよ」。30年前のことだが、結納費用で約70万円かかったという。

ワノカカ遠景。海岸まで続く低い丘陵地に伝統家屋の集落が点在する。

丘陵地を上り下りしてワノカカに近づくにつれて、街道脇には昔から同じ風景だったと思わせるような、屋根が高くとんがった特徴ある伝統家屋が姿を表す。

スンバ島の言葉(島内に複数言語あり)では、インドネシア語のSとZがHに入れ替わる。よって地元では「スンバ」は「フンバ」と発音される。「フンバ」には「素朴、純粋、誠実」といった意味がある。

スンバ島の名前の由来には、初めてこの島に来たウンブ・ワル・マノクという男が愛妻の名前「フンバ」をつけたため、とする伝説がある。最初にスンバ島が歴史上認知されたのは14世紀後半。当時東ジャワを中心に隆盛を誇ったマジャパヒト王国から派遣された、ガジャマダ大将の艦隊がこの島を訪れた時だ。

 

(以下に続く)

  • 家族、集落結束の象徴、伝統家屋
  • 夜の伝統家屋での意外な昔話
  • コミュニケーションアイテムのコーヒー
  • 農耕民族の信仰と勇気の証
  • 日本での正月のような「パソラ」「ニャレ」
  • 変わりゆくスンバ
  • 挨拶は「鼻」
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