よりどりインドネシア

2020年04月08日号 vol.67

ロンボクだより(30):ロンボク島の高齢者介護事情(岡本みどり)

2020年04月23日 00:05 by Matsui-Glocal
2020年04月23日 00:05 by Matsui-Glocal

みなさん、こんにちは。

新型コロナウィルスが世界中で猛威をふるうなか、外出ができなくなり、家族と一緒に過ごす時間が増えた方も多いのではないでしょうか。

その一方で、先行き不透明な不安や閉塞感などから生じる怒りや苛立ちが家族のなかの弱い者に向けられ、DVが増えている話も報告されています。

家族の在り方が見直される今、今回のロンボクだよりではロンボク島の介護事情についてお伝えします。

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去年から我が家では義母の介護が必要になり、私はここで高齢者の方々がどのように介護されているのかに興味を持つようになりました。

家族用のコーヒーを焙煎している、近所に住む親戚と義母。家族の役に立つことで義母の自尊心が保てるように、あくまで補助的に焙煎を手伝ってもらいました。

西ヌサトゥンガラ州の平均寿命は、2019年のデータで男性64歳・女性68歳です(※1)。日本でいう「初老」のあたりで亡くなる方が多く、自分のまわりを見渡しても、介護をうけている人はそんなに多くありません。

とくに、病気や事故の後遺症などから介護や手助けを必要とする人はいても、義母のように認知症の介護が必要なパターンは少ないように感じています。

とはいえ、ゼロではない介護の必要な人々を見ていると、本人の子どもたちが複数人で面倒をみていることが多いです。介護は体力的にも精神的にもエネルギーが必要ですので、複数の人間が介護にあたることは、介護者の健康という側面からみても非常に良いように思います。

子どもが多いことと、嫁いだとしてもほとんどの子どもが近くにいることから、このようなことが可能になっているのではないでしょうか。

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