皆さんすでにご存知の通り、インドネシアも3月2日に初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、コロナパニックの真っ只中にあります。それも、とくに3月第2週末から急に事態が大きく動き始めました。学校、集会などが次々に休止になり、いよいよ全国的な問題となってきました。
3月21日にジャカルタは非常事態宣言を出し、事態は刻一刻と変化しています。それらに関しては、すでに多くのニュースが流れていると思いますが、ここではウォノソボでの状況、またこれまでの感染症に対する地域の人々の考え方、民間療法のあり方などを一緒にお伝えしたいと思います。
●「コロナ」が身近になるまでの流れ
国内初の感染者が正式に発表されてから、感染予防に関するTVCMや注意喚起が次々に出され、また、ネットでも、デマや眉唾な情報含め、話題を集めていきます。
しかし、内陸のウォノソボは、まだしばらくは呑気なもので、都市部とは危機感に温度差がありました。感染者が増えていっても、都市部のものばかりだったこともあり、どこか遠い世界の話のように捉えていたようです。
3月10日(火)に所用でジョグジャカルタへ出掛けましたが、ジョグジャカルタではちらほらと見られるマスク着用者も、ウォノソボではまだほとんどいませんでした。
3月14日(土)、中部ジャワ州は州内の全ての学校を休校とする通達を出しました。翌週の16日(月)から自宅学習に切り替えるというものです。
他県の知人の話を聞く限りは、他県は通達通りに月曜から休校となったようです。ウォノソボは県と学校の決定に時間がかかり、さらに翌日の17日(火)からの休校となりました。
この措置が取られてから、いよいよコロナの一件が「私たちの問題」と見なされるようになったように思います。握手や頬をつける挨拶を控える人が見られるようになりました。
ウォノソボのカトリック教会を管轄するプルウォクルト教区は、3月15日(日)の時点で、ミサで握手などしなくていいこと、また、イースターを控えたミサで行う十字架へのキスは禁止、など細かい指針を出していましたが、その後の20日(金)、以後2週間のすべてのミサ・集会などを行わないとする措置に切り替えました。
3月20日(金)のイスラム教の金曜礼拝は、モスクによって中止されたり行われたりしたようです。いくつかのプサントレン(イスラム式寄宿学校)は、休校措置が出されてからも、しばらくは通常通り授業が行われていましたが、徐々に生徒たちが自宅に帰されていきました。私の村のプサントレンは、両親が出稼ぎで不在など、家に帰れない生徒たちが10人ほど残っているのみでした。授業は行われず、コーランを読む活動のみしているとのことです。
この2、3日でマスク着用率はグッと上がりました。といっても半数もないくらいですが、ミニマートなどではすでに品切れが続いています。街のスーパーで10枚入りが5万ルピアで売られるなど、価格が高騰も起こるほどに。ハンドソープも入手困難となりました。これほどに衛生が意識されるのは、おそらく初めてのことではないでしょうか。
(以下へ続く)
- 病気に関する考え方
- ジャワ流健康法と民間療法
- 周知されていく感染予防
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