地震のときに同じ避難地にいた大学生のオリックさんが、自宅でゴミ銀行を始めたと聞き、彼に会いに行きました。一つ尋ねたいことがあったのです。
今回は、そのとき私たちの話したことについて書きます。
ちなみに、ゴミ銀行とは、家庭から資源ゴミを持参すると廃品回収業者への販売額に換算し、その分を預入・引出できる銀行のことです。
なお、参考までに、ゴミ銀行については、『よりどりインドネシア』第29号所収の以下の記事もご参照ください。
マラン市のゴミ銀行(松井和久)
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/18841/
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オリックさんがゴミ銀行を始めようとしたきっかけは、地震後、市場脇にあふれるゴミでした。
もともと私たちの地域では、ゴミは市場脇にある回収ボックスに捨てており、ゴミは、回収車が来て、処理場へ運ばれていました。
地震のあと、被害を受けた市場は別の場所へ移転し、移転先にも回収ボックスが置かれました。
しかし、地震後に出る大量のゴミは回収ボックスの収容量をオーバーし、瞬く間に市場の脇がゴミでいっぱいになりました。この状況は今日まで続いています。
「政府に対して、『このゴミをどうにかして!』と文句をいう大人はたくさんいたのに、誰も自分たちでどうにかしようとしなかった。だから自分から始めようと思ったんだ」
最初、オリックさんは、大学の友だちと一緒にゴミ拾いを始めたそうです。ですが、すぐに自分たちの拠点が拾ったゴミでいっぱいになってしまいました。
「このゴミはどうしたらいいんだろう?」
そんな折、ロンボク島で一番大きな街・マタラム市でゴミ銀行をしている方と出会い、自宅をそのゴミ銀行の支店にすることを決めました。
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