インドネシア語ではよく、その地の特徴を捉えて国や地域に二つ名をつけることがあります。『風車の国』といえばオランダ、『桜の国』といえば日本。『雨の街』は西ジャワのボゴール、『花の街』ならバンドン。では『雲上の国』というフレーズを聞いたことはあるでしょうか?
標高2,000mを越え、時に雲海に包まれ幻想的な雰囲気となるディエン高原を表す言葉です。
とくにサンライズを見に行くキャンパーなどが実感するフレーズですが、しかしディエン高原を覆っているのは雲だけではありません。
道端に、畑の真ん中に、山腹に・・・あちこちから水蒸気が噴き上がっています。火山によってできたディエン高原は、噴気孔や地熱帯とともにあるのです。これこそが、ディエン高原で生きる人々の良き友であり、恐ろしい敵。
噴気孔からは水蒸気だけではなく、有害な火山ガスが噴出することもあります。過去、それにより多数の死者が出る事故も起こりました。ガスは火山帯では避けることのできない要素。ディエン高原はどのような状況にあり、地元の人々や自治体はどういった取り組みをしているのか? また一方で大きな恩恵もあり、それらをどう活かし、付き合っているのか? それらをご紹介しましょう。
(以下に続く)
- 火山ガスに脅かされて・・・
- 調査と防災
- 莫大なエネルギー源
- 観光地としてのポテンシャル
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