インドネシアで最も豪快な食べ物といえば、牛の脚の骨付き肉のスープでしょうか。一般に、ソプ・キキル(Sop Kikil)といいます。
注文すると、しばらくしてドーンと出てくる牛の脚に圧倒されます。まずは、骨についた肉の塊にかぶりつき、肉の旨味をしっかり味わいます。
肉の塊を平らげると、次は、牛の脚の中の髄をチュウチュウ、ひたすら吸い続けるのです。
つい最近食べたのは、東南スラウェシ州の州都クンダリのSop Kikil By Passという店。
店のご主人は、隣の南スラウェシ州パンケップ県の出身。パンケップといえば、同県出身の兄弟が編み出した、牛肉と小さなプルクデル(ニンニクの効いたコロッケ)の入った「ソプ・ソウダラ」(兄弟スープの意味)が有名です。
どーんと出てきた骨とスープ。肉の塊は骨から削がれて、スープに入っています。スープは生卵入り。スープの味が濃厚なので、卵とじにし、白いご飯と合わせると、まさにピッタリの美味しさです。
単に髄を吸うだけでなく、卵を溶かしたスープを骨の髄の中に入れて、髄と一緒にストローでチュウチュウ吸うと、これがうまい!
店は朝6時から始まり、スープが無くなったら閉店。通常だと、午前9時前にはなくなってしまいます。
すなわち、この店で朝、ソプ・キキルを食べるのは、クンダリの朝の風物詩となっているのです。店内を見ると、女性もたくさんいて、老いも若きも、みんなチュウチュウと集中して髄を吸っています。
この日はこの後、クンダリにある国立ハルオレオ大学経済ビジネス学部の学生約100人と一緒に、夕方までクンダリ市内をまわったので、朝、スタミナ満点のこれを食べていったのは大正解でした。
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