よりどりインドネシア

2019年07月22日号 vol.50

ウォノソボライフ(19): ドレッドヘアは災いを呼ぶか? 〜ゲンベルとルワタンについて〜(神道有子)

2019年07月22日 16:59 by Matsui-Glocal
2019年07月22日 16:59 by Matsui-Glocal

ちょっとこちらをご覧ください。

髪の一部がねじねじになって伸びている子供というのを、ウォノソボではしばしば見かけることがあります。中途半端だな、切っちゃえばいいのに!と思いますか?

これ、適当に切っちゃダメなのです。不思議な力を持つドレッドヘア『ゲンベル』と、それを取り巻く人々の様子を今回はお伝えします。

●子供に刻まれた印

インドネシア語ではギンバル(Gimbal)、この辺りでは特にゲンベル(Gembel)と呼ばれるドレッドヘアですが、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。

レゲエ?ジャマイカ?日本ではお洒落でしている場合が多いかと思います。人工的に一つ一つねじねじにしたり、編み込んだりするやつですね。しかしウォノソボでは、子供の頭に自然にドレッドヘアが発生すると、特別な扱いが必要となります。

なぜなら、それは病や災いを招くものだからです。呪いとまではいきませんが、『取り除くべき良くないもの』とされています。

じゃあ切ればいいでしょ、となりますが、そうはいきません。それは、普通に切ったのではまた同じようにゲンベルが生えてくる、と信じられているからです。

ゲンベルを切るための特別な儀式、ルワタン(Ruwatan)を行い、初めて処理することができます。

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