よりどりインドネシア

2019年06月24日号 vol.48

ウォノソボライフ(18) :明文化されないジャワ仕草(神道有子)

2019年06月24日 03:02 by Matsui-Glocal
2019年06月24日 03:02 by Matsui-Glocal

断食月も終わり、いよいよ乾季に入ってきた今日この頃。爽やかで過ごしやすい気候で、早くも高原の方では霜が降りています。

さて、断食後といえば、祝宴ラッシュ!飲食を前提とするイベントごとは断食の期間は控えられるので、断食月の前か後に集中しやすいのです。

結婚式や割礼式と、華やかで楽しいのですが、非ジャワ人にとって悩ましいのがご祝儀マナー。

相手方との関係により様々なやり方に分かれるそれは、絶対の正解というものがなく非常にややこしい!

村生活では絶対に必要なのに煩雑なご祝儀マナー、皆さんも是非私と一緒に悩んでみて下さい。

●全てのご祝儀はこのスタイル

まず、冠婚葬祭全てに共通して、ご祝儀やお見舞金はこの白封筒に入れます。

コンビニの文房具コーナーで売ってるようなやつですね。真新しいものでなくても構わず、誰かにもらったご祝儀の封筒を取っておいて使い回すこともあるくらいですが、とにかく無地のこのサイズ。

たまにこれではない色や柄のついたもの、大きなものもありますが、そうしたものは『ご祝儀の額』に自信がある場合のように感じます。

名前は書いても書かなくても構いません。書かないことが多いです。

これを、去り際の挨拶をしながら、そっと相手の手に滑り込ませるというのが基本的な渡し方になります。

自分も相手も、ご祝儀には敢えて視線をやらず、互いの顔を見て

「少しだけれど」

「煩わせちゃったわね」

なんて短くやり取りをするのです。

小さい封筒が好まれるのは、手のひらに収まるサイズだからです。二つ折りにして更に小さくしたりもします。訪ねた時はポケットやカバンにしまっておいて、渡す時も決しておおっぴらには見せず、まるで隠し事のように素早くそっと・・・。

うーん、奥ゆかしい(?)。

しかしこの奥ゆかしさが難しさでもあります。

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