2019年4月17日に大統領選挙・総選挙の投票が終わり、各民間団体のクイックカウント結果は発表されたものの、今は、5月22日に公表される総選挙委員会からの確定開票結果を待っている状況です。
そんななか、2019年4月29日、ジャワ島外への首都移転が閣議決定されたというニュースが国内外で話題を呼んでいます。首都移転が閣議決定されたのは今回が初めてで、日本のメディアもこぞって報じました。
首都移転を議論する閣議の様子 (出所)https://setkab.go.id/pemindahan-ibu-kota-negara-membutuhkan-anggaran-rp323-rp466-triliun/
スカルノ時代以来、これまで何度も、ジャカルタからの首都移転の構想や話題は、出ては消え、出ては消えしてきました。その辺のいきさつについては、本誌「よりどりインドネシア」第2号(2017年7月22日号)のなかの以下の記事ですでに紹介しましたので、よろしければご参照ください。
「首都移転論議、再び」 https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/15970/
この記事でも述べましたが、2017年7月5日、国家開発企画庁のバンバン・ブロジョヌゴロ長官は、2017年中に首都移転に関する調査を完了して結果を公表し、2018年に首都移転に関する準備を開始することを明らかにしました。2019年4月29日の閣議決定では、この首都移転に関する調査結果の概要もうかがい知ることができました。
しかし、それにしても、なぜ、このタイミングで首都移転を閣議決定したのでしょうか。どうしても、そこに政治的意味を嗅ぎ取ってしまいます。
今回は、政府側の首都移転に関する発表内容や漏れ聞こえてきた閣議の舞台裏の様子と、移転先候補となりそうな地方の動きや反応、そして閣議決定の政治的意味について、考えてみたいと思います。
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