よりどりインドネシア

2019年04月23日号 vol.44

トラジャ・サダンのオリジナルの布を求めて(松井和久)

2019年04月23日 03:25 by Matsui-Glocal
2019年04月23日 03:25 by Matsui-Glocal

スラウェシ島のトラジャと言えば、トラジャ・コーヒー、舟形住宅のトンコナン・ハウス、壮大で何日も続けられる葬式、しゃれこうべが置かれたままの岩石墓地や鳥葬の跡、などで有名です。

南スラウェシ州でも有数の観光地で、標高1,000メートル以上の高原地帯の清涼な過ごしやすい気候のところです。

トラジャは、実は布も有名でした。なかでも、トラジャ地方の中心地ランテパオから北へ車で20分程度行ったところにあるサダンは、様々な布を見ることのできる場所でした。

でも、年々、トラジャ・サダンのオリジナルの布の比重が少なくなっていったのは、とても寂しいことでした。20年近く前のサダンで出会った老女の写真があったので、掲載しておきます。

サダンで糸をつむぐ老女。2001年9月2日撮影。

あれは2008年8月のこと。トラジャに出かけて、サダンで布を見ました。それまでサダンには何度か行ったことがあるのですが、いい思い出があまりなかったのです。

サダンの特有の布を持ちながら、「とにかく買ってくれ!」のオンパレード。外国人だからわからないだろうと、ジャワのバティックや東ヌサトゥンガラのイカット(絣)を並べて売る節操のなさ。とにかく、売れて金が入ればいいのだ、という雰囲気があり、好きになれなかったのです。

あのときも、それを覚悟してサダンへ行きました。でも、少しゆっくりと、サダンのオリジナルの布は何かを聞いてみることにしました。それがけっこう面白いものでした。

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