よりどりインドネシア

2019年02月07日号 vol.39

プラスチックごみ問題と広まるレジ袋廃止の動き(松井和久)

2019年02月07日 21:33 by Matsui-Glocal

2018年11月19日朝、東南スラウェシ州ワカトビ県、国立公園内にあるカポタ(Kapota)島近くの浅瀬に、体長9.5メートル、体幅4.37メートルの巨大なマッコウクジラの死骸が打ち上げられているのが発見されました。

(出所)https://bdnews24.com/wildlife/2018/11/21/1000-pieces-of-plastic-found-inside-dead-whale-in-indonesia

解剖の結果、マッコウクジラの胃の中からは、サンダル2個、ナイロン袋1個、ラフィアロープ1,000本以上など以外に、ミネラルウォーターのプラスチックカップ115個、大小ペットボトル23個、レジ袋25枚が発見され、プラスチック製品の総量は6キロに及びました。

マッコウクジラは通常、イカを主食とし、タコ、魚、エビ、カニ、小型のサメなどを食べます。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、マッコウクジラは危急種(Vulnerable)に指定されています。

また、インドネシアのスラウェシ島北部沿岸では、最古の魚とされるシーラカンスがたびたび発見され、何頭かは捕獲されていますが、2012年5月、その捕獲されたシーラカンスの腹の中から、スナック菓子の袋が発見されたと報道されました。

(出所)http://manado.tribunnews.com/2012/05/29/coelacanth-manado-makan-sampah-plastik

近年、インドネシアを含む東南アジア海域では、このように、クジラなどの大型海洋生物や魚類などが、人間が投棄したプラスチックごみなどを体内へ入れてしまうケースが頻発しています。

そして、海洋に投棄されたプラスチックごみの多くは、分解されるまで数百年の時間を要します。それらは、波や紫外線等の影響を受け、5ミリ以下の小さなプラスチック粒子、マイクロプラスチックとして海中や海底に残っていきます。

そして、マイクロプラスチックは食物連鎖を通じて、多くの生物に取り込まれていきます。マイクロプラスチックには有害物質が含まれていることが少なくなく、いずれは人間の体内にも入ってくる可能性があります。

世界自然保護基金(WWF)によると、海洋ごみの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメを含む少なくとも約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしており、その実に92%がプラスチックの影響(漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取したりする)によるものということです。プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥の90%とも推定されています。

前掲のマッコウクジラやシーラカンスの画像とともに、インドネシアに衝撃を与えたのは、2015年のダボス会議と2017年の海洋アトラス報告(Ocean Atlas Report 2017)でした。インドネシア政府は事態の深刻さを認知していますが、プラスチックごみ対策を主導していこうとしているのは、インドネシア各地の地方政府でした。以下で、その内容を見ていきましょう。

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