今回皆さんにご紹介するのは、南スラウェシ・ゴワ(Gowa)王国の王子として生まれ、のちにボネ王国第32代ラジャとなる、アンディ・マッパニュキ(Andi Mappanyukki, 1885~1967)です。
彼は、 20世紀初頭からの抗オランダ闘争、続く太平洋戦争、その後のインドネシア独立に向けての闘争を生き抜いた、インドネシアの国家英雄(2004年に認定)です。太平洋戦争中には、多くの日本人とも接点がありました。
彼の足跡を追い、南スラウェシ激動の時代を振り返ってみたいと思います。
ワタンポネの元王宮(現在は博物館)に飾られた写真
17世紀、ブギス王国と同盟を組んでマカッサルのゴワ王国と戦ったオランダ東インド会社(VOC)は18世紀末に解散し、その後は、オランダ政府が VOC の植民地管理を引継ぎます。
19世紀になると、世界は、植民地獲得競争の時代に入ります。南スラウェシにおけるオランダの支配は、マカッサルの港湾とその周辺地域に限られていましたが、オランダはさらなる植民地の拡大へ動きます。
まだマッパニュキがまだ生まれていなかった時代ですが、1825年、さらに1859~1869年には大規模なボネ戦争が起こりました。ちなみに、1894~1895年にかけては、日清戦争が勃発しています。
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