インドネシアの人口を宗教別にみると、イスラム教徒が全人口の85.2%と大多数を占め、キリスト教プロテスタント教徒8.9%、キリスト教徒カトリック教徒3%と続きます。
キリスト教徒の比率は少ないのですが、絶対数で見ると、キリスト教プロテスタント教徒は2273万6091人、キリスト教徒カトリック教徒は766万3851人、両者を合わせると3039万9942人となります。こうしてみると、インドネシアは意外に多くのキリスト教徒がいるような気になってきます。
実際、インドネシアの地域のなかには、むしろキリスト教徒が人口の多数派のところがあちこちに見られます。たとえば、北スマトラ州のトバ湖周辺、北スラウェシ州のミナハサ半島部、スラウェシ島中央山間部、マルク州アンボン島南部、東ヌサトゥンガラ州、パプア州、西パプア州の多くの地域では、キリスト教徒が人口の多数派です。
これらの地域では、たとえば、ジャワなどでは会議の冒頭にイスラム教の祈りの言葉が読まれますが、上記の地域では、キリスト教の祈りの言葉が読まれます。
キリスト教徒にとって一年で最大のお祝いの日は、もちろんクリスマスです。それは、イスラム教徒にとっての断食明け大祭(Idul Fitri)と同じような重要性を持ちます。インドネシアのクリスマスは12月25日で毎年祝日ですが、今年(2018年)は、12月24日が休暇取得奨励日となるため、12月22日から25日まで四連休となります。
近年、インドネシアではとくに多数派のイスラム教を政治的に利用する動きが目立ち、多様性のなかの統一を維持させていくための寛容性が薄らいできているような印象を受けます。その意味で、今年はどのようなクリスマスをインドネシア各地で迎えているのかが、一つのバロメーターになるのではないかと思いました。
そこで、いろいろ眺めてみると、キリスト教徒が人口の多数派の地域では、やはり盛大にクリスマスを祝っているところが目立ちました。今回は、その様子の一端を見てみることにします。
2018年12月12日に行われた中ジャワ州サラティガ市のクリスマス・パレードの様子。(出所)https://kompas.id/baca/utama/2018/12/22/parade-natal-di-kota-toleran/
読者コメント