2018年8月10日、来年2019年正副大統領選挙の候補者ペア2組が総選挙委員会(KPU)に立候補登録をしました。
その2組とは、ジョコ・ウィドド(Joko Widodo、現職)=マルフ・アミン(Ma’ruf Amin)組とプラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)=サンディアガ・ウノ(Sandiaga Uno)組です。憲法により、正副大統領の任期は2期10年までとされていますので、2期目を目指す現職のジョコ・ウィドド(以下、ジョコウィ)大統領は、今回が最後の立候補ということになります。
(出所) http://aceh.tribunnews.com/2018/08/13/hasil-polling-tempat-prabowo-sandi-sebagai-pemenang-iwan-fals-curhat-dimarahi-followers
また、前回の2014年正副大統領選挙の際も、ジョコウィ=プラボウォで争われましたので、それは今回も同じということになります。
今回の候補ペア決定に当たっては、いくつかの疑問が湧いてきます。
第1に、プラボウォはなぜ大統領に立候補し続けるのか、という疑問です。この疑問に答えるには、彼の過去や歴史について振り返る必要があります。軍人時代、スハルト政権崩壊時、政界への進出、そして現在に至るまで、彼の思いにも迫りたいと思います。
第2に、プラボウォと組む副大統領候補のサンディアガ・ウノは、なぜ実業界から政界へ転身したのでしょうか。彼はかつて、政治には関心がなかったのですが、急にそれを転換し、ジャカルタ首都特別州知事選挙に立候補して、副知事となりました。いったい、彼に何があったのでしょうか。
そして、第3に、ジョコウィはなぜマルフ・アミンを副大統領候補に据えたのか、という疑問です。マルフ・アミンは、かつてジョコウィがジャカルタ首都特別州知事時代に副知事で、ジョコウィの大統領当選後、州知事に昇格した、ジョコウィの盟友ともいえるアホック元知事を批判する急先鋒でした。そんな人物となぜ組んだのでしょうか。
以下では、2部に分けて、主に、これら3つの疑問を考察しながら、次の正副大統領選挙がどうなるのか、その結果を受けた2019年以後のインドネシアがどうなっていくと予想できるのか、筆者なりの現段階での考えを提示してみたいと思います。
読者コメント