5月、断食を目前に控えた日曜日、陰惨なテロが起きてしまいました。既に多くの報道があった通り、スラバヤの教会を狙ったもので、たくさんの死傷者が出ています。それから一週間もしないうちに、スマトラ島など、各地でテロが続き、緊張した空気が張り詰めました。
テロは宗教だけの問題ではありませんが、こうしたことがあると、イスラム教とキリスト教は宗教対立の代表格のように見えるかもしれません。たしかに歴史的には何度も衝突をしており、その背景には一神教の教義上の性質もあります。
しかし、イスラム教もキリスト教も、私にとってはとても身近な宗教です。なぜなら、私が住んでいるのは、『ムスリムとクリスチャンが混在・共生する村』だからです。
●ジャワのクリスチャン?
インドネシアは国民の9割がイスラム教徒だといわれますが、ことジャワ島は完全にイスラム文化圏ですよね。あちこちにモスクが立ち並び、アザーンが響き渡るのがお馴染みの光景。
イスラム教に次ぐ人口を抱えるのはプロテスタント、カトリックといったキリスト教で、ジャワ島でもモスクほど『あちこちに』ではないものの、教会はそれなりに見つけることができます。
クリスチャンといえば華人、といったイメージが強いのでしょうが、実は中部ジャワのジャワ人はカトリック教徒の率が他よりもちょっとだけ高いのですよ。19世紀末、オランダ人の宣教師が中部ジャワはマゲラン県にやってきて、地元民たちに洗礼を授けました。そこから徐々にジャワ人自身がカトリックコミュニティを増やし、今に至ります。
とはいえ、インドネシア全体で人口の約3%であるカトリック教徒は、ウォノソボでは1%にも満たない数字です。
しかし私の暮らす村は、人口約600人、そのうちカトリック教徒の割合は30%近く。他の集落より多く、また村内には教会もあります。ウォノソボには、このようにクリスチャンがまとまって住んでいる村が点在しているのです。
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