よりどりインドネシア

2017年09月22日号 vol.6

汚職疑惑地方首長の逮捕は続く

2017年09月22日 20:56 by Matsui-Glocal

このところ、インドネシアのメディアをにぎわせているのが、地方首長逮捕のニュースです。汚職容疑、しかも現職のまま、贈収賄などの現場を抑えられ、現行犯逮捕されているのです。

地方首長を逮捕しているのは、警察ではなく、汚職撲滅委員会(KPK)と呼ばれる国家機関の捜査官です。このKPKは2002年に大統領直属の政府機関として設立され、盗聴、張り込み、おとり捜査などが可能な非常に強い捜査権限を持ち、一般市民からのタレコミ情報をもとにした捜査を踏まえ、贈収賄の現場を押さえる現行犯逮捕を何度も行ってきました。捜査官の一部は警察からの出向者ですが、警察からは独立した機関であり、警察に関わる汚職疑惑捜査の際には、警察と厳しく対立しました。

設立から現在までの間に、KPKが汚職事件で摘発した汚職犯は670人に上ります。その内訳は、国会議員・地方議会議員が134人、州知事が18人、正副県知事・正副市長が80人、民間人(実業家など)が170人、大臣や長官が25人、大使が4人、中間業者(Komisioner)が7人、上級官僚(Eselon I/II/III)が155人、裁判官が15人、その他が82人、となっています。

9月18日の内務大臣発言によると、これらのうち、現行犯逮捕された地方首長は77人で、何らかの汚職疑惑のある地方首長は300人以上いるということです。2016年末時点での地方政府の数は、州が34、県が416、市が98ですので、これだけ見ても、インドネシアの地方首長の過半数以上、実に7割近くが何らかの汚職疑惑があり、いつでもKPKの捜査対象になる状態なのです。

以下では、どの地方首長がなぜ現行犯逮捕されたのか、その背景はどのようなものなのか、見ていきます。

(以下の内容へ続く)

  • 2016年は10人、2017年はすでに6人が逮捕
  • 贈収賄の一般的な手口
  • 汚職が地方へ拡散した背景
  • 汚職表面化のきっかけとなった地方首長直接選挙
  • 汚職という文化はまだまだ発展する

 

 現行犯逮捕へ向かうKPK捜査員(Source: http://www.lampost.co/berita-istri-gubernur-bengkulu-kena-ott-kpk 

 

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

ヘイト嘘情報を流したサラセンとは

2017年10月07日号 vol.7

大島空良が訊く:インドネシアの羽ばたく若手起業家たち(その1)Shinta VR代表 宋知勲(そうあきら)氏

2017年09月22日号 vol.6

大豆発酵食品テンペの裏側

2017年09月22日号 vol.6

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2017年10月07日号 vol.7

よりどりインドネシア第7号を発行しました。カバー写真は、マカッサルの華人墓...

2017年09月07日号 vol.5

よりどりインドネシア第5号を発刊しました。▼インドネシア政府が今、ロヒンギ...

2017年08月22日号 vol.4

よりどりインドネシア第4号を発行しました。今回は、カソワミ、カーニバル、海...