よりどりインドネシア

2017年09月07日号 vol.5

インドネシア政府がロヒンギャ問題解決に積極的な本当の理由

2017年09月08日 11:46 by Matsui-Glocal

インドネシア政府は今、ロヒンギャ問題の解決に積極的な姿勢を見せています。ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領は、ロヒンギャへの人権侵害を非難するとともに、問題解決のために、インドネシアがミャンマーとの間で調停役を果たす意向を示しました。早速、レトゥノ外相をミャンマーへ派遣し、ミャンマーのアウン・サン・スーチー国家顧問と会談したほか、レトゥノ外相をロヒンギャの避難先であるバングラデシュへも派遣し、対応を協議しました。

こうした動きは、内政不干渉を基本としてきたこれまでのASEANのやり方とは相容れないように見えます。また、外交にあまり興味を示さないと見られたジョコウィ大統領があえてこのような姿勢を示すのは、ちょっと予想外の出来事でもあります。

他方、インドネシア国内では、とくにイスラム教徒の間でロヒンギャへの同情とミャンマー現政権、とくにアウンサン・スーチー国家顧問への批判が強まっており、それは穏健派とでもいうべき、会員数の多いナフダトゥール・ウラマやムハマディヤなどへも広まっています。スーチー女史のノーベル平和賞を剥奪すべきとの声さえ聞こえます。

インドネシアがロヒンギャ問題解決へ積極的な姿勢を見せているのは、ASEAN内での盟主としての立場を強化するためなのでしょうか。あるいは、純粋にイスラム教徒の権利を守りたいとか人権重視の観点からなのでしょうか。

筆者は、その姿勢の裏に少なくとも3つの現実的な理由があると考えます。ロヒンギャ問題は、インドネシアの今後にとって、極めて重要な問題だと政権に受けとめられているのです。それはなぜなのか。それら現実的な理由とは何か。以下、考えていきたいと思います。

(以下の内容へ続く)

  • ミャンマーでのインドネシア国営企業のビジネス利権
  • イスラム過激派・強硬派への対策
  • 反中国感情への転化の可能性を抑える
  • 解決へ向けた持続的対応は難しい

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